ジェイテクトは、電気自動車(EV)用「eアクスル」向けに、遊星減速キャリア一体「ジェイテクト・ウルトラ・コンパクト・デフ」(JUCD)を開発したと発表した。遊星減速ピニオンギヤと遊星減速キャリア、超小型デファレンシャル「JUCD」を一体化した製品で、eアクスルの小型・軽量化やEVの航続距離確保につながるとして売り込む。

 モーターとデフがオフセット配置される一般的な3軸式eアクスルに対し、モーターとデフを同軸上に配置するeアクスルは小型化に有利で市場拡大が期待される。同社は、2022年8月に従来のデフを小型化したJUCDを開発した。出力150キロワット級のeアクスル向けデフ単体として幅を約25ミリメートル縮めた。今回は、このJUCDと遊星減速キャリアを組み合わせることで、幅寸法を約50ミリメートル縮めた。デフハウジングを円筒形としてキャリア部と一体化し、トルク伝達時のハウジング変形・バラツキを抑えることで減速機のNV(ノイズ・振動)性能も確保した。

 同社の試算では、150キロワット級の同軸遊星式eアクスルに同製品とデフサイドシール「JUCS」、軸受「JUCB」を組み合わせると、eアクスルのユニット幅を約70ミリメートル短縮し、重量も約7キログラム軽くできるという。