試料移動型冷熱衝撃試験装置
グローブボックス内でリチウムイオン電池を分解し構造検査する
ウィスカ

 OKIエンジニアリング(中井敏久社長、東京都練馬区)は、車載機器などに搭載される電子部品や、リチウムイオン電池(LiB)の評価試験体制を強化した。短絡事故の原因の一つで電子部品のめっきから発生する針状の単結晶生成物「ウィスカ」の評価サービスを拡充したほか、LiB向けでは焼損事故予防を目的に検査する評価試験の提供を開始した。電気自動車(EV)や自動運転車へ搭載される車載機器やLiBなどを開発するサプライヤーを支援する。

 電動化や自動運転技術の普及で車両一台当たりの電子部品や実装基板の搭載数が増加している。こうした動向を追い風に同社の「ウィスカ評価サービス」の需要も増えているようだ。今後の需要増加も見込み、新たな設備を導入してサービスを拡充した。

 新設備は、国際規格「IEC60068-2-82」の温度急変試験などに対応可能な「試料移動型冷熱衝撃試験装置」のほか、直径300ミリメートルまでの大型部品を切断することなく観察できる「大型対応走査型電子顕微鏡装置」を導入した。部品を加工せずに評価するなど、自動車メーカーやサプライヤーが求めるニーズに応えた。

 LiBの焼損事故防止を目的に提供開始した「リチウムイオン電池の良品解析」サービスは、電池に内在する欠陥や不具合構造を検出し、危険性を予測・評価できるという。

 また、過充電などが発生した際の焼損耐性の確認も行い電池の品質を評価する。電池単体での解析に加えて、基板や実装部品を含む機器全体での解析も可能とした。

 中井敏久社長は「ワンストップでさまざまな評価試験を提供できる」強みを生かして、自動車メーカーやサプライーの開発をより一層支援する構えだ。