先進技術の普及で事故が減少している

 金融庁は、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の保険料を4月から全車種・全地域平均で11・4%引き下げる。値下げは2021年4月以来、2年ぶり。自家用乗用車が2360円下がって1万7650円、軽自動車も2190円下がり1万7540円(いずれも2年契約、沖縄・離島を除く)となる。先進技術などで自動車の安全性が高まり、交通事故件数と損害保険会社の保険金支払額が減っていることを反映した。

 20日に開かれた自動車損害賠償責任保険審議会(自賠審)の会合で正式に決定した。金融庁によると、23年度の収入純保険料は前年度比14億円増の5349億円、支払保険金は同101億円減の5771億円を見込む。

 最大積載量2㌧超の営業用普通自動車は8460円下がり4万2610円、小型二輪車は510円下がり8760円、原動機付自転車は290円下がって8560円になる(いずれも2年契約、沖縄・離島を除く)。

 一方、22年6月成立の改正自動車損害賠償保障法などを踏まえ、被害者支援と事故防止対策の財源に充てるために設けた「新たな賦課金」を、4月から適用する自賠責保険の保険料に反映させた。付加保険料率の一部に新設したもので、現行の賦課金と性格が異なる。

 1台当たりの年間負担額は、自家用乗用車(普通車、軽自動車)が125円。タクシー、トラック、バスは150円、バイクや原付は100円。年間で約100億円の財源確保を図る。現在、被害者支援と事故防止対策の事業費は年間約150億円。4月からは年間約200億円にまで引き上げ、各事業費の半分を賦課金で賄う。

 ひき逃げ被害者救済などの保障事業に充てていた現行の賦課金も見直す。自賠責保険の保険料と連動するため、近年の支払実績を踏まえて全車種で約3分の1に引き下げる。自家用普通乗用車の場合、年間16円を5円にする。

 警察庁によると、22年の交通事故発生件数(速報値)は前年比1・3%減の30万1193件と、05年から17年連続で減少した。死者数は2610人(同1・0%減)、負傷者数は35万6419人(同1・6%減)だった。