EVトラックの交換式バッテリー部

 交換式バッテリーを使った電気トラック(EVトラック)の実証実験が24日、首都圏で始まった。充電のため車両を長時間、駐車する必要がないことが利点だ。実証事業を統括する伊藤忠商事の都梅博之専務執行役員は「実証を通じて早期の実用化を目指していきたい」と語った。

 出発式を同日、ファミリーマート三郷中央定温センター(埼玉県三郷市)で開いた。伊藤忠商事のほか、いすゞ自動車とファミリーマート、エッチ・ケー・エス(HKS)、JFEエンジニアリングの合わせて5社が実証に参画する。いすゞはバッテリー交換式小型EVトラックの開発、JFEエンジニアリングがバッテリー交換ステーションの開発、HKSがバッテリーパックの開発をそれぞれ担う。ファミリーマートは実証フィールドを提供する。環境省が「バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」として支援する。

 2台のバッテリー交換式EVトラックを使い、埼玉県の三郷市や八潮市などのファミリーマート、延べ約80店舗に食品を配送する。バッテリー容量は約40㌔㍗時。フル充電で何㌔㍍走れるかは明らかにしていない。専用機械により、3分ほどで交換できる。

 5社は利便性や事業性、課題などを2025年3月末まで検証し、実用化を目指すことにしている。