インティメート・マージャー 社長 簗島亮次(やなしま・りょうじ)氏

 インティメート・マージャーは、データマーケティングの基盤サービスを提供し、リターゲティングなど、ウェブ上での広告活動を支えている。近年注目されているサードパーティークッキーの廃止に伴う市場調査の変化にも対応し、新たなデジタルインフラの提供も行っている。同社の簗島亮次社長は、接客デジタルトランスフォーメーション(DX)を展開するジールス(清水正大代表取締役CEO、東京都目黒区)と日刊自動車新聞社が10月13日に共催するポストクッキー時代における自動車業界のデータマーケティングセミナーに登壇し、導入事例などについて講演する。

10月13日のセミナーで講演

―市場調査の変化はどれくらいの規模で起きているのか
 「リターゲティング広告を出せるブラウザ数を5年前と比較すると、半数ほどまで減少している。将来的に従来の広告手法が使用できなくなることは知られているが、その基盤となっていたサードパーティークッキーの規制自体はすでに進んでいる。当社でも、ポストクッキー時代に対応できる新しいシステムの整備に注力している」

 ―サービスの強みは
 「当社では、複数のデータを照合し、人物像を類推する手法を行っている。サードパーティークッキーの廃止によって、個人の閲覧履歴を直接取得することができなくなる。そこで、時間帯や端末の種別といったアクセスログを収集し、共通点を見いだすことでウェブサイトを閲覧した人物を類推し、その人物に合わせた広告を配信する仕組みになっている。これにより、従来のように個人を追跡しなくても効率的に広告を出せるようになる」

 ―人物像の類推精度はどれくらいなのか
 「現時点ではおよそ90%となっている。個人のアクセスデータを把握できた従来の手法と比較すればやや落ちるが、精度としては高いものと考えている」

 ―現在の自動車業界の課題点は
 「オンラインの製品販売やサービス提供に関して、十分に取り組めていない企業が多いと感じている。ユーザーの価値観のほか、電気自動車(EV)の普及など、自動車の種別も多様化しているので、マーケティング手法もそれに合わせた方が良いと考えている。高価格製品という自動車の特性もあり、従来は販売店での対面的対応に頼らざるを得ない状態であったが、カーシェアリングなど、サービスの多様化によってデジタル技術を活用できる領域は拡大している。新しい販売方法やチャネルを増やすためにも、オンライン形態の導入を加速する必要がある。その上では、数年以内に使用できなくなる従来のシステムよりも、ポストクッキーに対応した新しい基盤サービスの導入を検討した方がよいと考えている」

 ―企業への導入事例は
 「自動車業界では輸入車勢で導入実績があり、オンラインの試乗予約サービスや販売用カタログの配信に活用されている。セミナーでは導入事例を紹介しながら、ポストクッキー時代のソリューションについて講演したい」

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https://zeals.co.jp/njd_zeals03_w221013