浮世絵師、葛飾北斎と言えば、その作品を誰もが一度は目にしたことと思う。北斎の素晴らしさは、富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」に代表される迫力ある作品もあるが、一方で当時としては珍しい「見えないものを表現する画家」と評されている。例えば「神奈川沖浪裏」は、大きな波が起こることで風が強く吹いていることがわかる。また同じ富嶽三十六景の中の「駿州江尻」では、…