矢野特殊自動車(矢野彰一社長、福岡県新宮町)は、日本で初めて機械式冷凍車を開発し、コールドチェーンを支え続けてきた。1922年の誕生(当時は矢野オート商会)から数え、今年で創業100年を迎える「冷凍車のパイオニア」として、今回のショーでは3タイプの車両を展示する。これまで蓄積してきたノウハウを生かした製品を訴求していく。

 まずは、「大型冷凍ウイング」。車両の内幅を確保しつつも、温度管理がシビアな医薬品輸送を可能としたチルドウイング車。サーマルアイネットとの連携で、庫内温度や冷凍機情報の見える化も実現したのが特徴だ。

 続いては、「大型冷凍車」(写真)。高性能の断熱材により、断熱厚を最小に抑え、保冷能力を確保しつつ庫内容積の拡大を実現した。ドライバーの負担を減らすアイデア満載の車両となっており、人と地球に優しい「SDGs」(持続可能な開発目標)が欠かせない時代に適した進化を遂げた。

 3番目は、「デジタル管理型航空機給油車」だ。フランスの給油車メーカーのデジタルシステム「EZコントロール」を搭載した。これにより、車両の状態や給油時チェック項目の一元管理を可能にした。安全性の向上に加え、作業時間短縮を実現可能とした次世代の航空機給油車を完成させた。

 冷凍車やタンクローリー、車両運搬車などの特殊車両の開発と製造を行ってきた同社独自の存在感を、今回のショーでも示すことになりそうだ。