日野自動車(羽村工場)

 帝国データバンクは、ディーゼルエンジンの性能試験での不正が発覚した日野自動車のサプライヤーに関する調査結果を発表した。日野と取引がある企業は8542社で、従業員の合計は約51万人。このうち、6割を超える企業が売上高10億円未満の中小企業となっている。国土交通省は日野の不正なエンジンを搭載している車両の型式指定を取り消した。日野の車両生産・販売停止期間が長引くと、体力の弱い企業は大きな影響を受ける。

 日野は日本市場向け車両に搭載していたエンジンの排出ガスと燃費の検査で不正していたと発表し、国交省が対象のエンジン4機種を搭載した車両の型式指定を取り消した。日野は不正公表後、「プロフィア」など、不正のあった車両の出荷と生産を停止しており、部品を供給しているサプライヤーも影響を受けている。

 日野に部品などを直接供給する1次サプライヤーは、4月時点で国内だけで858社で、これら企業の従業員数の合計は約6万7千人。2次サプライヤーは7684社で、従業員の合計が44万3千人。1次と2次のうち、年間売上高10億円未満の企業数は5698社で、全体の66・7%を占めた。このうち5千万円未満は575社で、6・7%だった。

 地域別では、取引先数、従業員数ともに最も多いのは関東地区で合計4131社、従業員数の合計が26万人。関東には、日野のマザープラントである日野工場(東京都日野市)のほか、エンジン部品などを製造する新田工場(群馬県太田市)、中大型トラックの生産拠点である古河工場(茨城県古河市)があることからサプライヤーが集中していた。

 日野はトヨタ自動車向けにディーゼルエンジンなどを供給していることから、愛知県などの中部地区でも取引先が1806社ある。

 取引先の産業別では、1次サプライヤーで最も多いのは自動車部品製造で50社だった。次いで自動車車体製造を手がける42社、自動車部品卸売の40社、金型製造の26社と続く。トラック向け部品を主に取り扱う企業が多い。

 一方、2次サプライヤーでは鉄鋼卸売が最多で287社だった。1次サプライヤー向けに、部品用鋼材を取り扱うケースが多く見られた。金型製造、金属プレス製品製造など、1次サプライヤー同様に自動車部品メーカーが目立つ。

 日野の不正を受けて、経済産業省は影響を受ける中小企業の資金繰りを支援している。日野は不正に関する第三者による詳細な調査と、再発防止策をまとめてから、型式指定を再取得する意向で、生産・販売の再開には時間を要する見通し。日野との取引が多い中小サプライヤーにとって生産・販売停止の長期化は死活問題になりかねない状況だ。