〝カイクラ〟で一人のお客様に店舗全体での対応を実現
竹中智宏取締役
滋賀ダイハツ本社栗東店外観
真野克宣店長
本社栗東店受付スタッフの皆さん

 滋賀ダイハツ(鳥居和浩社長、滋賀県栗東市)は社内に「IT推進室/Dマーケティング室」を設置し、DX(デジタルトランスフォーメーション)、業務効率化に向けた動きを活発化させている。その一環として2019年に導入したのがシンカ(江尻高宏社長、東京都千代田区)のクラウドツール「カイクラ」だ。電話を受ける前に「誰からかのものか」事前に把握できる仕組みを取り入れた。1年前には13あるすべての拠点に掛かってくる電話を一手に受ける「コールセンター」を稼働し大幅な業務効率化に結びつけている。

■電話のみえる化を実現

 カイクラは〝会話クラウド〟の略。既存の車両管理ツールや顧客管理ツールと紐づけることで、着信時に相手の情報を瞬時にパソコンブラウザに表せる。つまり、受電前に誰からのコールか事前に情報が把握できる。「電話のみえる化」を可能にする。
 顧客リストには名前、車種、ナンバー、営業担当者名、車検到来日、保険満了日などの情報に加え、現在の対応状況などが確認できる。
 導入を検討するにあたり、当時、既に導入運用していた同社のグループ販社を見学した竹中智宏取締役は「掛かってくる電話に名前を呼んで出る様を見て素直にすごいことだと感じた」と振り返る。
 電話を受ける際、掛けてきた相手やその要件が事前にわかる、わからないとでは、対応に割かなければならない時間に差が出る。「社内全体で考えると捻出できる時間は小さくない。現場スタッフはその分、目の前のお客様への対応に時間を割ける」(竹中取締役)と効率性に対する寄与の大きさに触れる。

■スタッフのストレス軽減と架電率アップを両立

 各拠点スタッフ間でもカイクラの評価は高い。同本社栗東店(滋賀県栗東市)の真野克宣店長は「業務運営にあたり、なくてはならないツール。メリットしか思いつかない」と断言する。
 ブラウザを最小化していてもユーザーの名前に加えて、担当者の名前など任意の項目情報がポップアップで出てくる。休日や夕方6時以降の閉店後の着信履歴・情報が残る。「電話を掛けてきてくれたお客様がどなたかわかる。これにより次のアクションの取り方を変えられる。これはスタッフの精神的なストレスを和らぐことにつながっている」、「受電時間が一元に把握できるのも大きなメリット」(真野店長)。別の日の同じ時間帯に掛けることで架電率が大幅に向上したという。

■様々な機能を使いこなすことでさらなる効率性向上へ

 カイクラには誰からの電話かが受電前にわかる「電話コミュニケーション機能」に加え、「自動通話録音」、「音声テキスト化」などユーザーの利便性を一層高める機能が備わる。
IT推進室の藤本嘉彦分社長は「ご本人の自宅だけではなく、携帯番号や奥様、お子様などご家族の携帯番号を登録できる『登録機能』、電話対応後、要件や対応状況をメモで共有できる『メモ機能』、電話を折り返した際、留守電を設定していない場合には『SMS(ショートメール)機能』が役立っている」と話す。
 電話に名前を呼んで出られることに対し、ほとんどのお客様が好意を示してくれる。だが、「『教えてもいないのに何故わかるのだと』と不信感を抱くお客様もなかにはいらっしゃる」(藤本分社長)という。こうした場合、メモ機能を使って情報を共有することで、社内スタッフの誰しもが、次の対応から名前を呼ばずに電話を取れる。
 また、SMSの一般的な開封率は99%と高く、要件を効率的に伝えられる利点がある。

■コールセンター運営に欠かせないツール

 同社の業務効率性を語る上で、昨年3月に開設したコールセンターの存在が欠かせない。全拠点に掛かってくるすべての電話を一手に受けるインバウンド専門で、2人のスタッフで対応している。
 従来、営業担当者に掛かっていた電話をコールセンターへと振り分けることで、営業担当者が新車購入を検討するお客様と向き合う時間を増やすことに結びつけている。
 コールセンター運営にとって「カイクラ」は欠かせない存在だ。コールセンター担当を兼務する竹中取締役は「お客様は『この店舗に』と思って電話を掛けてくる。そこで『どちらの店舗ですか?』と聞くのは失礼に当たる。カイクラの仕組みがなければ成立しないこと」とその重要性を示す。

カイクラの詳細はこちらへ!
https://kaiwa.cloud/