アドビ DXマーケティング&セールスデベロップメント本部 執行役員 本部長 祖谷考克(そたに・たかよし)氏

 ソフトウエア大手のアドビは、マーケティングオートメーション(MA)ツール「マルケトエンゲージ」の自動車業界への活用提案を進めている。営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を手掛けるジールス(清水正大代表取締役CEO、東京都目黒区と日刊自動車新聞社が2月4日に開催する「セールステックオンラインセミナー」に登壇するアドビのDXマーケティング&セールスデベロップメント本部長である祖谷考克執行役員にMAの有効性について聞いた。

 ―様々な業界でMAへの関心が高まっている
 「自動車のような商品の場合、営業担当者が顧客とコミュニケーションを取る事で購買意欲を醸成し、契約につなげている。ただ、一人のスタッフが一度に対応できる顧客数には限界がある。30人に対応できたとしても、100人、500人、千人と増えた時、すべての人に同じ対応を取ることは難しくなる。MAは、こうした人と人との関わりの中で進む商談のプロセスをテクノロジーがサポートするツールだ」
 「当社が提供している『マルケトエンゲージ』も、このMAツールのひとつ。従来は営業スタッフが顧客情報などに基づいて行うコミュニケーションを人に変わって実行すれば、営業のキャパシティを拡張することが可能だ」

 ―マルケトエンゲージの特徴は
 「一方的にメールなどでコンテンツを送るだけでなく、ターゲットの反応に応じた次の一手も打てる点だ。購入までのプロセスは商材によって異なり、同じ業界でもメーカーや販売店の手法によって違う。MAツールの中には限られたテンプレートの中からターゲットへのアプローチ方法を選択するしかないものもあるが、マルケトエンゲージは、マーケティング担当者の頭の中にあるプロセスをプログラムとして設定することができる。これは大きな強みだ」

 ―MAツールを導入することで営業スタッフの役割はどのように変わるのか
 「営業現場によりホットな見込み客を届けられるようになるため、人による営業活動は、購入検討度の高い層に労力を集中できる。その前段階をテクノロジーがサポートすると捉えて欲しい」

 ―自動車販売、整備業の保有ビジネスにも有効だ
 「既納客にはアフターサービスも含めて次の代替えまで長期的な視点でのアプローチが必要だ。マルケトエンゲージでは、ターゲットが自社のウェブサイトのどのようなコンテンツに興味を持っているのかなども把握できるため、効果的な情報提供、提案にもつながる」

 ―中小規模の企業では専属のマーケティング担当者を配置していないケースもある
 「当社にはコンサルティングチームがあり、導入企業が当社のサービスを活用して成果を出すために必要な戦略、人材育成、組織の展開の仕方も含めてサポートしている。またユーザーコミュニティも非常に強い。セミナーでは上手く活用している導入事例を紹介したい」

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