トヨタ自動車は7日、レクサス「NX」を7年ぶりに全面改良し、11月以降に発売すると発表した。「次世代レクサス」の第1弾として、デザインや走行性能などを刷新し、レクサス初のプラグインハイブリッド車(PHV)を含む6種類のパワートレインをそろえた。月間販売計画は1300台(このうちPHVは220台)を見込む。

 初代NXは2014年の発売以降、これまでに90以上の国・地域で約105万台を販売した。新型車は、次世代レクサスのデザイン要素や、より運転に集中できるコックピット思想「Tazuna(手綱)コンセプト」などを採り入れたほか、車載マルチメディアとコネクテッドシステムを4年ぶりに刷新し、ソフトの無線更新(OTA)にも対応させた。マルチメディアや先進安全装備のほか、メーター表示なども更新の対象だ。

 レクサス初のPHVは電気式4WD(E―Four)に設定した。総電力量18・1キロワットト時のリチウムイオン電池により約90キロメートルをモーターだけで走る。エアコン冷媒を使った電池冷却や低温時の昇温機能によりエネルギー効率を高め、カーナビによる道案内中に電池残量などに応じてハイブリッド(HV)/EVモードを自動で切り替える機能もつけた。HVは排気量2・5リットル直列4気筒+THS(トヨタハイブリッドシステム)II、ガソリン車は2・5リットル直列4気筒、2・4リットル直列4気筒ターボにそれぞれダイレクトシフト8速自動変速機(AT)を組み合わせる。

 予防安全技術では「レクサス・セーフティシステム+」に交差点衝突回避支援(出会い頭車両)を初採用したほか、駐車支援機能「アドバンストパーク」は車外からのリモート操作にも対応させた。ドア開閉を電気制御とし、降車時に後方から接近する車両や自転車を検知するとドア開き操作を中断させる「安心降車アシスト」を世界で初めて採用した。専用アプリをダウンロードすることでスマートフォンを鍵代わりにできるデジタルキー機能も備える。

 車両価格(消費税込み)は、ガソリン車「NX250/350」が455万~599万円。HV「NX350h」が520万~635万円。PHV「NX450h+」が714万~738万円。