左から青山英美花さん、池田悠夏さん、棚瀬恵里佳さん
パステルカラーのホイールは業界でも珍しい
女性の活躍に期待する中嶋社長
男女問わず人気のネージュホワイト
優しい雰囲気にしたホームページとカタログ

 共豊コーポレーション(中嶋敬一郎社長、名古屋市南区)が女性目線でリリースしたカワイイデコルシリーズの「デコルカヌレ」。ターゲットの女性のみならず、男性のユーザーも獲得している。アルミホイール業界は男性社会といったイメージが強いが、中嶋社長は「もっと女性が活躍するべき。『用品大賞 軽自動車部門賞』で表彰は今後の励みになる」と、さらなる企画の発展に期待を寄せる。

 ちょっとした会話からスタートしたという今企画。これからのアルミホイール業界に新たな風を吹き込む企画チームの池田悠夏さんと棚瀬恵里佳さん、青山英美花さんに話を聞いた。

 ―製品開発でこだわったポイントは
 「女性目線をアルミホイールに落とし込むために、色味にこだわった。今回パステルカラーを採用し、フランボワーズピンクやシエブルーの柔らかな色を出すことにこだわった。コロナ禍で生産現場とのコミュニケーションも難しい状況ではあったが、イメージした色を出すことができた」

 「またネージュホワイトは、日光が当たるとキラキラと輝き年間を通して使用できる。女性のみならず男性からの支持も得ており、一工夫することで多くの層にアプローチできることが分かった。また、ベージュとメッキタイプ2種類のセンターキャップを用意し、ホイールの印象を変える工夫もしている」

 ―初の女性チームでの企画、難しかった点は
 「社員やスタッフなど部署や年齢を問わず、女性目線でクルマでの過ごし方に関して意見を出し合った。キーワードの『カワイイ』を主体とし、通常アルミホイールではあまり使わない色を採用した」

 「男性の考える女性向きの商品では、キャラクターやハートマークなどが用いられる場合が多い。また女性は洗車をあまりしないという先入観から、汚れにくいカラーを採用することもあった。このようなことに問わられることなく企画できたことは大きな収穫となった。最近の軽自動車のボディーカラーは豊富で、これに合うように詳細を詰め、イメージに沿った商品を発売できた」

 ―カワイイデコルシリーズの第2段製品として、前回と今回の違いは
 「前作はスモーキーな薄みがかった色で、洗車を頻繁に行わなくとも汚れが目立ちにくいカラーを採用した。また、メイドインジャパンにこだわり、価格も手ころではなかった。今回は価格も抑えたほか、サイズも14インチの1種類にし、購入しやすい価格帯にした。また、ほかのアルミホイールと差別化できるよう、ホイールの入った箱をデザインし、これの上部を切り取ることで店頭ディスプレイとして活用できるように工夫するなど、一つのブランドとして訴求しやすい工夫を盛り込んだ」

 ―SNSを使ったPRやアパレル製品など、これまでにない手法をとった。その反応は
「クルマ関係のお店はどうしても女性の来店の割合が少ない。なので、カスタマイズの楽しさや魅力も伝えきれていないと感じている。カスタマイズの第一歩としてホイールを替えるだけで、クルマの雰囲気が大きく変わる。SNSを通して徐々に浸透してきているのではないかと思っている」

 「昨年末の発売時にモニターキャンペーンを行った。女性のみ10名にアンケートを行ったところ、欲しいホイールの色は黒との回答があった。明るい色を女性が好みやすいと思っていたが、想定外の回答だった。ユーザーの声は商品開発に大きなヒントとなる。これからもアンケートやキャンペーンを行い、商品開発に役立てたい」

 ―ライフスタイルの提案とホイール販売戦略で似ていると感じるところは
 「女性をターゲットとしたアルミホイーは、これまでのカタログやホームページなどと一線を画す必要があった。また、女性が用品店に行く機会も多くないので、専用のサイトを立ち上げた。アパレル商品が入り口となり、そこからホイールの販売につながる機会もあり、ライフスタイルでの提案は女性に合っているのではないかと考えている」

 ―今後の展開は
 「冬シーズンに向けて、カスタマーアンケートでも要望の高かった黒の新作ホイールをリリースする予定だ。今後もホイールの履き替え需要がある、春先と秋口にカワイイデコルの新製品を出していきたいと思っている。さらに、アパレル商品の拡充も進めていきたい。クルマに関わるものは、生活にもかかわってくる。さまざまなことに挑戦できると考えているので、楽しみながらちょっとしたこだわりと独自絵性のある製品を出していきたい」