カーナビの供給正常化にはしばらく時間を要する(写真はイメージ)

 半導体不足の影響が自動車生産に加え、カーAV製品にも広がっている。トヨタ自動車はディスプレーオーディオ搭載車に設定するナビキットの一部で出荷を停止し、ダイハツ工業は「ハイゼット」などに標準装備していた一部用品設定を取り止めた。カー用品の調達遅れによって納車時期が遅れるのを避けるのが目的だ。市販のカー用品の供給も不安定で、納期未定の製品も少なくない。車載半導体不足は海外の自動車メーカーの一部で解消しつつあるもようだが、国内の自動車業界は依然として先行き不透明な状態が続く。

 トヨタは6月下旬から順次、ナビキットの出荷が遅れることを系列販売会社に通達。ナビキットはスマートフォン(スマホ)を使用することなくナビゲーション機能をディスプレーオーディオで利用できるディーラーオプションで「スマホ連携が苦手な高齢者にニーズが高い」(ネッツ店営業担当幹部)という。「アクア」や「ヤリス」「アルファード」など、国内向け主要車種が対象。ナビキットの出荷は早くても8月中旬以降になるとみられる。販売会社ではオプションを後で装着する形で先に新車だけ納車するなどして対応している。

 カー用品の納入が遅れているのはカー用品に搭載する半導体が不足していることが原因だ。昨年10月に旭化成子会社の半導体製造工場で火災が発生し、12月頃からカーナビやETC車載機などの生産が不安定化した。カー用品供給遅れが原因の新車の納期遅れも増えた。その後、全産業的に半導体の需給がひっ迫したこともあってカー用品に搭載する半導体不足の問題は解消していない。

 市販向けカー用品も5月頃から品薄の状態が続いている。オートバックスセブンによるとカーナビの在庫が平常時の2~3割ほど少ない水準という。製品供給の正常化は不透明で「年内いっぱいは(在庫不足が)継続する」とみている。

 カーナビ以上に納期遅れが深刻なのがカーオーディオだ。ダイハツはハイゼットなどに標準装備しているラジオを廃止し、カーオーディオの納入遅れが新車の納期に影響が及ばないようにした。

 カー用品の生産が不安定化している原因である半導体不足が解消するめどは立っていない。最初の原因となった旭化成グループの半導体製造工場は復旧を検討中で、閉鎖する可能性もある。カー用品の生産と供給体制が正常化するまでには時間を要する見込みで、厳しい状況が続く。