ドライバー不足の解消に向けてUDの「技」を生かす

 UDトラックスは1日、大型トラックのドライバーの運転操作の負担を軽減する操舵システム「UDアクティブステアリング」を開発したと発表した。油圧式パワーステアリングに電動モーターと電子制御ユニット(ECU)を追加、低速時のステアリング操作をアシストするなど、運転操作を支援し、車線逸脱防止としても機能する。女性や経験の浅いドライバーが運転しやすい機能で、ドライバー不足の解消につなげる。大型トラック「クオン」にオプション設定する。

 UDアクティブステアリングは、ボルボ・トラックが実用化している「ボルボ・ダイナミック・ステアリング」をベースに、国内の道路環境に合わせてチューニングした。油圧式パワーステアリングだけでは大きな力が必要だった低速走行時の操舵を電動モーターでアシストする。不整路の走行や、横風の発生をセンサーが検知し、大型トラックが安定して走行できるようステアリング操作を支援する。また、後退時や右左折時、自動でステアリングがニュートラルポジションに戻るため、楽に運転できる。車間距離制御装置に加え、UDアクティブステアリングを搭載することで自動運転「レベル2」(高度な先進運転支援技術)の技術を実現する。オプション価格は46万円という。

 同社の調査によると、脳波計測器などを用いた実験でUDアクティブステアリングを搭載するモデルは搭載しないモデルと比べて運転時に必要な集中力が約5%アップし、凹凸路面運転時の伸筋活動量が約半減したという。

 同社は30年までに「完全自動運転」を実現する目標を掲げる。新しいステアリングシステムは自動運転「レベル4」(地域限定での自動運転)に向けた第一歩の技術と位置付けており、今回の主要なコンポーネントをレベル4でも活用する。