ヤリスクロス

 トヨタ自動車は18日、半導体不足により国内で生産調整に入ると発表した。コンパクトカーを生産するトヨタ自動車東日本(TMEJ)の2工場を6月中に3~8日間止める。減産影響は約2万台。半導体不足を理由にトヨタが国内工場の稼働を停止するのは初めて。半導体の手当てがつき次第、挽回生産する方針だ。

 生産調整するのはTMEJの岩手工場(岩手県金ケ崎町)と宮城大衡工場(宮城県大衡村)。岩手工場は「C―HR」を生産する第1ラインを6月7日から14日までと21日から22日まで、「ヤリス」「ヤリスクロス」を生産する第2ラインを6月9日から15日まで止める。ヤリスクロスを生産する宮城大衡工場も6月9日から11日まで止める。

 ヤリス(ヤリスクロスを含む)は国内の車名別販売で8カ月連続トップを維持しており、4月の販売台数は1万9974台だった。トヨタのホームページによると、今回の生産調整の影響を織り込んだ上でヤリスクロスの納期目安は注文から5~6カ月としている。

 トヨタは不足する半導体の品目を明らかにしていないが、ルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災に起因する国内半導体供給のひっ迫が影響したものとみられる。自動車各社の中でもマイコンの在庫を手厚く持ち、サプライヤーと連携して半導体の確保に当たってきたトヨタは、これまで需給ひっ迫下でも何とか車両生産を続けてきた。今回、そのトヨタにも半導体不足の影響がついに及んだ格好だ。