日立製作所は、米投資ファンドのベインキャピタルを中心とする日米の企業連合に日立金属の保有全株式を売却すると発表した。ベイン連合は株式公開買い付けなどを通じて約8200億円で日立金属の株式を取得。日立は3280億円の売却益を計上する。
ベインと日本産業パートナーズ、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズの日米ファンド連合に売却する。日立は日立金属の株式53・38%を保有している。
日立金属は日立グループの中核会社の1つ。これまで自動車や産業インフラなどの分野で事業を展開してきた。2019年4月からは21年度を最終年度とする中期経営計画を推進していたが関連業界の需要環境が悪化。さらに新型コロナウイルスの感染拡大を受け収益性が大きく落ち込んでいた。日立と日立金属は現在の資本構成に制限されない経営改革を進めることが最適と判断し、昨年11月上旬から複数の買手候補先への打診を始めていた。