マレリは、シリコンカーバイト(SiC)パワーモジュールを開発したと発表した。モータースポーツの電動用途とハイブリッドパワートレインに対応するもので、既存製品の主流のシリコンベース製品と比較すると重量とサイズを50%低減、冷却性能を50%引き上げた。今後、コンパクトで軽量なインバーターの主要部品として採用される見込み。

 新製品は「EDI(エレクトリカルデュアルインバーター)パワーモジュール」で、電力変換効率を最大99.5%に高めた。直冷却方式を採用したのも特徴で、冷却器プレートを必要としない。SiC構成要素とクーラント液との間に発生する熱抵抗を大幅に低減する構造設計としたことで小型化した。

 SiCパワーモジュールはイタリアのコルベッタ工場で生産する。熱サイクルやスイッチングテスト、圧力サイクル評価を通して高いロバスト性を確認、モータースポーツで求められる信頼性試験をクリアしたとしている。