日本精工は1日、フォルクスワーゲン(VW)の電気自動車(EV)用モジュラープラットフォーム「MEB」向けにシングルピニオン電動パワーステアリング(EPS)を開発したと発表した。2023年から日本精工の中国工場で生産し、VWのEV生産拠点に供給する。

 今回開発したシングルピニオンEPSは、減速機内のギアの小型化と高負荷にも耐える構造とし、小型化と高出力化の両立を図った。

 シングルピニオンEPSは、デュアルピニオンEPSやラック式EPSと比べてアシスト力が弱いことが課題だった。開発品の具体的な性能は公表していないものの、「MEBにおけるSUVなどの大型車両にも必要な出力を確保できる」(麓正忠執行役専務)とし、デュアルピニオンEPSへの置き換えも想定している。

 日本精工とVWは2019年6月、ステアリング事業での協業で合意した。今回の開発品が協業での第一弾となる。日本精工は今後、VWとの共同開発で得たノウハウを、他の自動車メーカーとの連携に活用していく。