カメラを搭載した信号機(写真はNEC提供)

 NECは、第5世代移動通信システム(5G)を活用した自動運転向けインフラ協調型システムを2023年にも実用化する。信号機メーカーなどとの協業を視野に入れる。同時に、そのための研究開発体制を整える。モビリティサービスの研究開発を行うチームを5年以内に現状の2倍となる60~80人規模に増強するほか、2020年に開設した実証施設「NECモビリティテストセンター」(静岡県御殿場市)を本格稼働する。

 同システムは、カメラを設置した信号機や街路灯で車や人物を検知し、周辺車両とその情報を共有する。車載センサーだけでは把握が難しい建物の死角にある物体情報をインフラ側で検知し、安全運転を支援する。5Gを活用することで、現行の4Gでは出来なかった大容量の映像データを高速・低遅延で基地局に送信する。

 同社は、人工知能(AI)を活用し注目領域に絞って画質を高くすることで送信データ量を削減する技術や、緊急度の高い通信端末を特定し割り当てる帯域を調整することで通信遅延を補正する技術などを組み合わせて、同システムを開発する。日本での実用化を皮切りに、交通量の多い米国や欧州への展開を目指す。同時に、「インフラで蓄積したデータはさまざまなことに応用できる」(早川晶クロスインダストリー事業開発本部上席事業主幹)として、スマートシティーの実現に向けたデータ事業にも活用していく。

 現状、30人ほどがモビリティサービスの研究開発を手掛ける。「NEC単独か、他社とのアライアンスで増強するかは未定」(同)としつつも、人員を大幅に増強する。また、5G基地局や通信路側機など実証実験に必要な設備を備えたモビリティテストセンターは、コロナ禍の影響で実験計画が先送りになっていたものの、今年から本格稼働し、モビリティサービスの開発強化を図る。