静岡工科自動大学校(静岡市葵区、岡部剛校長)は2003年以来、東京オートサロンに向け、毎年欠かさず出展車両の製作に取り組んできた。出展車両は毎年1台で、車両の損傷修復やボディ成形、塗装などの技術を学ぶ「自動車システム工学科2級・ボディエンジニアコース」の学生全員がアイデアを出し合い、創意工夫をしながら、同校オリジナルのカスタムカーを製作する。

 2020年度は、昭和48年式の三菱の四輪駆動車「ジープ」をベースにローダウン仕様にカスタムした車両「jeep liberatio(ジープ リベラティオ)」。リベラティオには「解放」という意味があり、今回の作品は、学生自らがジープのイメージを解き放ち、自由な発想で新しいジープ像を作り出した。

 昨年4月に同コースの学生19人がカスタムカーの製作案を出し、プレゼンテーションした上で4つの案まで絞り込んだ。その後、1年生から4年生と留学生を含めた全学生と職員による投票を行い、製作車両を決定した。

 ベース車両は昨年9月に調達。19人の学生の中から選ばれた統括リーダーの四条直輝さんが全体のスケジュール管理を行い、足回りや塗装など担当グループに分かれ、担当者同士が話し合いを重ねながら、製作を進めてきた。

 製作に当たっては、渡邊徹教員が「口は出すが手は出さない」の方針で指導。「ローダウンするのにフロントアクスルを一から作るなどボディのチャネリング(車体のフロア部分とその他の部分を切り、その他の部分を上にあげて接合するカスタム方法)に非常に苦労した」と仲間と知恵を絞りながら課題を克服し作り上げた。