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 ブリヂストンは、国内で量産タイヤのオンライン販売を本格化する。国内タイヤ4社では初めて。専用サイト上で受注後、自宅に商品を直送する形態ではなく、メンテナンス製品とセットで販売店を通して提供する。現在は一部の直営店で限定的に展開しているが、来年からフランチャイズチェーン(FC)店にも拡充する。電子商取引(EC)では海外製の安価なタイヤが売れ筋で、価格競争になるのを懸念し、大手メーカーは参入を見送ってきた。一方で新型コロナウイルスなどによりEC需要は高まりつつある。単品売りではなく付加価値を高めた高価格帯製品を提供することで独自の市場を築く。

 ECでは中国・韓国製の安価なタイヤの引き合いが強い。また、ECは単品販売が主で取り付け作業などでの工賃が発生しないため、大手各社は店舗での実売を主としてきた。一方では「近年は価格よりもサービス面を重視する従来のECとは異なる需要も出てきた」(石橋秀一代表執行役CEO)ため、メーカーとして初めてECへの参入を決めた。

 タイヤ単品売りではなく、足回り調整サービスやアライメント、ホイールセットなどを付加したパッケージ製品として提供する。専用ウェブサイトで受注し、近くの販売店で作業を行う。すでに一部の「タイヤ館」などで販売を開始しており、来年から対象店舗をFC店にも拡大する。メンテナンスサービスとセットにすることで製品単価を引き上げるほか、ECを入り口に実店舗への送客を図るのが狙い。ディーラーやガソリンスタンドとの連携も模索する。

 将来的には欧州で展開する「モボックス」のような月額のサブスクリプションモデルも視野に入れる。同社は、従来の売り切り型から、販売後も利益を生み出し続けられるソリューションビジネスへと転換を進めており、市販タイヤ事業でも新しい可能性を探る。

 タイヤ公正取引協議会(タイヤ公取協)によると、過去10年以内にECサイトでタイヤを購入した人は約2割。日用品などと比べると低い水準だが「引き合いは年々増している」(タイヤ公取協)という。海外勢ではミシュランもすでにオンライン販売を実施しており、コロナ禍でタイヤのEC需要はさらに伸びそうだ。