技術認定を受けたスタッフによるスマホキーパー施工の様子
自動車向けコーティングのニーズはコロナ禍を受け急上昇

 人気のコーティング商品を異分野でも―。キーパー技研が、キーパーコーティングを自動車以外にも展開し始めている。今秋にはスマートフォン(スマホ)向け新商品「スマホキーパー」を発売。二輪車や屋外看板へのコーティングも提案するなど、ラインアップの拡充を進めている。美装・保護効果や優れたメンテナンス性など、クルマ向けで培ったノウハウを訴求し、根強いファンを抱えるキーパーブランドを生かしながらユーザーの裾野を広げる構えだ。(内田 智)

 コロナ禍に伴う消費マインドの低迷を受け、新車を買い控えるユーザーの間では、保有している愛車をきれいに乗り続けたいというニーズが高まっている。こうした市場環境も追い風に、同社の2020年7~9月の売上高は前年同期比で約2割増と大幅に伸長した。コーティング需要の高まりは一過性ではなく今後も加速するとして、21年6月期通期業績予想でも売上高を同27・6%増の111億円に引き上げるなど、さらなる事業成長を見通す。

 自動車専門コーティングとして認知を高めるキーパーブランドだが、ユーザーからは以前から「クルマ以外にもコーティングを施したい」との要望が多かったという。こうした声に応える一環として立ち上げたのが、スマホキーパーだ。昨夏に携帯電話販売店と協力し、スマホ新規購入時のセット商品として発売したところ、「予想以上の売れ行き」(賀来聡介社長)に。これを受け今秋からは、知名度に優れる「キーパー」ブランドのラインアップとして、全国のキーパープロショップ・キーパーラボでも順次販売を開始した。

 自動車向け同様、スマホ表面にガラス被膜層を形成することで保護効果を発揮する同商品は、滑らかな触り心地や汚れの拭き取りやすさなどのメリットも多い。スマホを保護する商品としてはフィルムやカバーの取り付けが定番だが、フィルムの気泡や剥離といった難点もある。加えて「コロナ禍を受けた衛生意識の高まりから、スマホ本体とフィルム・カバーとの隙間に汚れが溜まることを忌避する声も目立っている」ことから、「コーティングへと移行する流れが加速し、シェアが伸びるのでは」と賀来社長は期待を示す。

 作業時間は早ければ15分程度と、施工の手軽さも訴求点だという。自動車のコーティング施工で来店した顧客の待ち時間を活用することで、スムーズに施工を提案し、客単価アップにつなげる狙いだ。

 コーティング商品の展開先はスマホだけではない。二輪車やレース車両、クルーザーなどでも施工例があるほか、屋外看板などの構造物への施工も可能としている。追い風が吹く足元では、テレビCMに加え「ユーチューブ」などウェブでの露出も奏功し、BtoC事業の比率が伸長気配にある。新たにキーパーコーティングに関心を持ったユーザーも少なくないだけに、自動車向けにとどまらず多様な商品群に誘引することで、さらなる顧客獲得・定着を目指す。