副業を通じて市場ニーズの収集も視野に入れる(写真はイメージ)

 ダイハツ工業は、働き方改革の一環で社員の副業を解禁する検討を開始した。副業先での業務内容や労働時間の管理方法などの詳細については今後詰めるが、1年以内に副業解禁に向けた制度設計を完了したい考えだ。自動車メーカーによる副業解禁の動きは、2008年のリーマンショック時に従業員の所得確保のため、一部企業が一時的に容認したことがあるものの、現時点で認めている企業はない。ダイハツが恒久的な制度として副業を解禁すれば自動車メーカーでは初めてのことになる。他社での就業経験を通じて社員のスキルアップや人材の多様化を図る。

 副業解禁に向けた労使間協議をこのほど開始した。ダイハツは9月に副業人材の受け入れを開始しており、外部人材の働き方も参考にして自社の社員の副業解禁に向けた制度の構築を進める方針だ。

 社員の副業先はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)といった自動車分野に捉われず、幅広く検討する。例えば、顧客先など市場ニーズを収集できる職場での副業を候補の一つに挙げる。

 ダイハツが社員の副業を解禁するのは人材の多様化を進めるためだ。女性や高齢者、障害者、外国人などの採用を積極化しているほか、企業内保育所の開設など働きやすい職場づくりを進めてきた。幅広い知見を持つ人材を雇用、育成し、競争力の向上につなげる。

 制度設計で課題になりそうなのが労働時間の管理だ。労働基準法によると企業が本業と副業の労働時間を合算して計算する義務があるが、副業先で働いた時間は正確に管理しにくい。ダイハツは政府の方針や他業種の動向を踏まえて制度を組み立てるという。