ホンダは6日、2021年3月期の営業利益見通しを従来予想と比べて2200億円多い4200億円に上方修正したと発表した。足元で中国販売が好調に推移するほか、上期に進めた収益体質の改善効果などで利益を上積みできる見通し。中国や日本の販売台数見通しも上方修正する。7~9月期の営業利益は一般管理費の抑制などで前年同期比28.5%増となる2829億円の黒字を確保した。

 4~9月の四輪車世界販売台数は同20.2%減の204万5000台だった。けん引したのは中国で同7.1%増の84万4000台と好調に推移。「新型車投入や工場の稼働率向上による供給拡大で通期でも前年度超えを目指す」(倉石誠司副社長)とし、中国を含むアジアの通期販売台数見通しを8万5000台引き上げた。また、日本の販売見通しも1万台多い62万台に上方修正した。

 4~9月期の営業利益は同64.2%減の1692億6500万円だった。コロナ禍の影響などによる売り上げ変動構成差が4882億円の減益要因になったが、販売費・一般管理の削減で1437億円分の増益効果を創出するなど、減益幅を最小限にとどめた。米国ではコロナ禍による生産停止の影響で在庫不足になったため、インセンティブを抑えられたことも販売費の抑制につながった。