1900年代初頭。少々古い話で恐縮だが大阪のある開店間もない酒屋の、その店主の話。日露戦争が終わり、日本は戦争勝利に沸いていた(日露戦争は日本国内が戦場になっていない)。店主は、当時大阪では珍しい葡萄酒(ワイン)を扱い、西洋から輸入したワインを、日本人の口に合うように自社で醸造して販売を開始した。その開店間もない酒屋の店主は、商都大阪にあっても他…