個性を引き立たせたいユーザーに人気のX-AT
A/T G015はスノーフレークマークが刻印され冬用タイヤ規制下でも走行できる
MT G003は12インチも用意され軽やコンパクトカーユーザーにも人気
高須一郎氏

 1996年の発売以来、SUV・ピックアップトラック用タイヤとして高い認知度を誇る横浜ゴムの「ジオランダー」シリーズ。オフロード性能を強化したM/T(マッドテレーン)系、オフロードとオンロード性能をあわせ持つA/T(オールテレーン)系、快適性を重視したH/T(ハイウェイテレーン)系の3パターンが用意され、"地球の大地を走りぬく"のコンセプト通り、世界中で使用されている。

X-A/Tはデザインに注目

 スズキ「ジムニー」ユーザーからの人気も高く、15、16インチのジムニー/ジムニーシエラ向けではジオランダーブランドで展開している製品全体で34サイズ(車両のカスタマイズも同時に行った場合の適合サイズを含む)を保有している。特に2018年に発売されたJB64/74は、ファッション性を重視する若者や女性など従来のユーザー層以外からも支持され、街乗りが中心だがオフロードっぽさを求めるニーズが高い。オフロード性能とオンロード性能を両立させた「A/T G015」や、アグレッシブブロックパターンを採用し19年9月に発売した「X-A/T」は、個性を引き立たせたいユーザーに選択されている。

 A/T G015には、スノーフレークマークが刻印されており、オールシーズンタイヤとして冬用タイヤ規制下でも走行可能で、急な降雪でも慌てることなく使用できる。15、16インチでジムニー向けに12サイズが発売され、非降雪地域のユーザーを中心に展開する。

 X-A/Tは、両サイドで異なるデザインのデュアルサイドブロックデザインを採用、好きなデザインを表にすることができる。またタイヤ周上4か所のショルダー部にジオランダーロゴを配置するなど細かな遊び心が盛り込まれている。ジムニー向けで16インチで2サイズが発売され、今後は来春の需要期に合わせラインナップを増やす予定だ。

ジオランダーブランドの魅力を世界へ発信

 21年に発売25周年を迎えるジオランダーシリーズ。コロナ禍で人が多く集まるイベントへの出展などは厳しい状況だが、ジオランダーを担当するタイヤ国内リプレイス営業企画部の髙須一郎プランニングマネージャーは「SNSなどで世界中のジオランダーユーザーが情報を交換できるような環境を構築したい」と、ブランドの魅力を世界中に発信する。

また、髙須氏は今後のジオランダーブランドが目指すカテゴリーについて、スズキ『ハスラー』『クロスビー』、ダイハツ『タフト』などの、軽やコンパクトSUVのほか、軽トラもターゲットだ」と語る。特に軽トラは農作業でぬかるみに入ることもあり、マッドやダートでのトラクション性能や耐久性など兼ねそなえるM/T系の「M/T G003」は、12インチも展開しており、需要の拡大を見込んでいる。

 さらに、ホワイトレターの復活を要望する声がジムニーや三菱「デリカ」、トヨタ「ハイエース」などのユーザーから上がっている。きちんとメンテナンスをしなければ黒ずんでしまう点などのデメリットの周知も含め、検討していきたいとしている。