リバブレーションチャンバー(完成イメージ)
安全電磁センター(東京都八王子市)完成予想図
新中部試験センター(愛知県北名古屋市)完成予想図
北関西試験センター彩都電磁環境試験所(大阪府茨木市)

 現在、日本のISO認証件数ナンバーワンで知られる日本品質保証機構(JQA)は63年前、海外へ輸出する電子機械製品の安全性を確認する検査機関として設立された。アメリカやカナダの機関と提携することによって、メイドインジャパンの輸出製品の性能を保証するという大役を果たし高度経済成長期を支えた。現在も、家電製品などの電気製品の安全性を示す「Sマーク」や世界各国の法令や制度に基づく第三者認証機関として、マネジメントシステムや環境などの認証、検査、さらに計測機器の校正にも幅を広げ、お客さまや消費者の皆さまに「安全・安心」と「信頼」を提供している。

自動車の電子機器の信頼性確認試験に本格参入

 お客さまに「信頼」という価値を付加する第三者認証機関であるJQAが、新たな市場として、急速な電子化が進む自動車の電子機器の信頼性確認試験にも2019年11月に大阪府茨木市に車載機器専用の暗室を増設したのを皮切りに本格参入した。さらに20年12月に東京都八王子市に2基、21年5月に愛知県北名古屋市に3基を増設するほか、今後需要が見込まれる「リバブレーションチャンバー(RVC)」の設置をそれぞれ1基予定している。現在主流の試験方法であるALSE法(アンテナ照射法)とは異なり、RVC試験は多方向からの電磁照射を行うことで実環境に近い電磁環境を再現することができる。一部の欧米の自動車メーカーでも、RVC試験がすでに採用されている。RVCを保有している試験所は現在、関東地区に数カ所あるのみで、特に中部地区では初となる。一方、大阪地区においても、ISO 11452-8(低周波磁界試験)やISO 11452-9(可搬型送信機アンテナ近接試験)、雷サージ試験、ストリップラインなど、設備の充実化を図っている。

車両搭載電子部品のEマーク認証の取得に関するサービスも提供

 また、JQAは国連の「車両等の相互承認協定」(1985年協定)にもとづく車両搭載電子部品のEマーク認証の取得に関するサービスも提供している。KBA(ドイツ連邦自動車庁)のテクニカルサービスであるVDE と連携し、認証取得サービスを行うほか、英国運輸省認定機関でもあるVCA(自動車安全証明局)の認定試験所としてサービスを提供している。

東京・名古屋・大阪の3試験所の特徴を生かしてシームレスに対応

 JQAでは従来からの製品安全・EMC試験のノウハウを活用する。車載機器試験分野においてもCISPR、ISOなどの国際規格や各自動車メーカーの社内基準に対応した試験から法規制認証まで、東京・名古屋・大阪の3拠点の試験所がそれぞれの特徴を生かすことによって、「JQAオートモーティブEMCラボラトリーネットワーク」として顧客ニーズにシームレスに対応する。