エッチ・ケー・エス EVCシリーズ
左 水口大輔社長・右 第2開発部電子商品開発課エキスパート本多計仁氏
プロモードでは細かな設定ができる
操作性が向上したEVC7

 チューニングの世界でその名を知らないものはいないほどの知名度を誇る、エッチ・ケー・エス(静岡県富士宮市、水口大輔社長、以下HKS)。1973年の創業以来、築き上げてきた開発力と技術力から生みだされる製品は、多岐にわたり、幅広い分野で活用されている。第33回日刊自動車新聞用品大賞のロングセラー部門を受賞した「EVC(電子制御式ブーストコントローラー)」も、同社を代表するチューニングパーツだ。1988年の発売から32年、チューニングの全盛期からパワートレインの変遷という時代の波を受けながらも、今年1月に最新の「EVC7」を発表・発売した。「EVCシリーズ」に対する思いを水口社長に、開発のこだわりを第2開発部電子商品開発課エキスパートの本多計仁氏に聞いた。

-用品大賞のロングセラー部門を受賞した
 水口社長「当社を代表するロングセラー商品が評価され、とてもうれしく思う。ターボ車ならば少なからず取り付けの要望があったチューニング全盛期から変遷はあったが、ユーザーの要望に応え続けてきた32年だった」
 「昨今でクルマも大きく変わった。製品企画の段階から、クルマごとに特性を見つけ、全体を見据えどのようにチューニングするかを考えながら開発している。コロナ禍で、クルマの所有が改めて見なおされている今こそ、時代に合わせた製品を発売し続けることで、カスタマイズの文化を次の世代へ引き継げるよう今後も展開していく」

-「EVC7」の特徴は
 本多氏「『EVC』の制御部分は『EVC6』までですでに熟成されており、操作系のブラッシュアップに重きを置いて開発を行った。これまでは設定が複雑で、使い方など操作が難しく、説明書を読みこまなければならなかった。『EVC7』では、イージーオペレーションシステムを採用し、設定などの操作性を向上させた。また、ブースト設定では、簡易的な”イージーモード”と、個々でより細かく設定する”プロモード”を設けている。それぞれ4モードの設定が可能で、ユーザーの好みに応じ変更できる。」

-操作性でこだわった点は
 「コントロールボタンをダイヤル式にし、回しすぎないよう固めに調整している。また、ボタンの高さもグローブをはめてもホールドできる大きさにし、ユーザーの使いやすさを考慮している。さらに、ディスプレイにはTFTフルカラー液晶を採用して視認性を重視した」

-パソコンでブースト設定ができる「イージーライター」を提供している
 「”プロモード”の設定がパソコン上で正確にできるので、端末では微調整で済むようになった。ログも取れるので、サーキット走行中にユーザー自身がどんな走りをしているのかも分かり、より楽しんでもらえる製品となっている」

-今後の展開は
 「電子制御部品の進化は早い。当社が展開する製品と連携できるよう、オプションパーツの開発を進めていく」