バイク専用ドライブレコーダーEDR-21G
左 萩原伸一社長・右 開発部企画販促課 上原聡太氏
ソニー製CMOSセンサーを使用したフルHDカメラ
二輪車用ETC車載器の技術を応用し、強靭な「耐水・耐塵・耐振動」を実現した

 第33回日刊自動車新聞用品大賞の二輪車用品部門で「バイク専用ドライブレコーダーEDR-21G」が受賞したミツバサンコーワ(東京都板橋区、萩原伸一社長)。二輪車のドライブレコーダー市場について、「開拓の余地が残されている」と萩原社長は話す。バイクのドライブレコーダー市場へ参入したのは昨年8月と後発であるが、同社が培ってきた確かな技術は、ユーザーから厚い信頼を得ている。開発部企画販促課の上原聡太氏に、製品の特徴や開発時のこだわり、今後の展開を聞いた。

-EDRシリーズの特徴は 
 「EDRシリーズは前後2カメラタイプを2種類と、1カメラモデルの3種類を展開している。今回二輪車用品部門賞を受賞したハイスペックモデルである「EDR-21G」は前後2カメラでGPSを搭載しており、もしもの事故の際に重要となる日時や位置情報を録画データとともに記録できる」
 「これ以外の基本性能は共通しており、ソニー製CMOSセンサーを使用したフルHDカメラは対角162度と広い視野角を確保している。また、明暗を補正するWDRを搭載し夜間や明暗差が激しい場合でも鮮明な映像が録画できる。専用のスマートフォンアプリが用意されており、記録されたデータは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)への投稿も可能にした。ツーリング記録を振り返るユーザーに好評を得ている」

-各種販売状況は
 「前後2カメラモデルが8割強のシェアがあり、そのうち半数以上はGPS機能が付いたモデルを選んでいただいている。意外な例では、防水の観点で四輪用ドライブレコーダーが使いづらいとの理由から、オープンカーにEDRシリーズを設置するケースもある」
 「あおり運転厳罰化や、コロナ禍での通勤通学などでのバイク需要の高まりもあり、自身を守るために購入いただくユーザーが多い。一方でアクションカメラとして長時間の録画を楽しむニーズもある。発売当初は定外していなかったが、幅広い用途で使用していただいている」

-開発する際にこだわった箇所は
 「二輪車は常に風雨にさらされるほか、ダイレクトに振動の影響を受ける。そのため強靭な「耐水・耐塵・耐振動」が求められる。これらの技術や基本設計は、当社が長年培ってきた二輪車用ETC車載器の技術を応用した」
 「カメラのボディーには、艶消し塗装を施したアルミの削り出しを採用し、密閉度を高めている。また、カメラが大きくなると操縦に干渉する可能性があるため小型化しながらも、性能を追求した。取り付けにおいても、カメラステーに付属する両面テープは、F1でも使用されているものを採用しており、万一の際に使えないことがないよう、確実に記録ができる仕様となっている。その他にも、コネクタの自社開発など、こだわりの詰まった製品だ」

-今後の展開は
 「ドライブレコーダーで録画された映像を、専用ビューワー以外でも楽しんでいただける機能を追加するなど、より扱いやすいソフトを開発し無料公開する予定だ。またアプリも順次アップロードするなど、ユーザー目線で更新していきたい。また、オプションパーツや補修部品なども、ニーズに合わせて展開していく予定だ」