既設の還元鉄プラント

 神戸製鋼所は、ブラジルの資源開発大手のヴァーレと三井物産の2社とともに、鉄鋼業界向けに二酸化炭素(CO2)の排出が少ない製鉄プロセスの提供を共同で行う検討を始めたと発表した。神戸製鋼の米国子会社が持つ、高炉に比べてCO2排出量を抑制できる製鉄プロセスなどを共同で世界に販売する。鉄鋼生産に伴うCO2排出量は気候変動対策で着目されており、排出削減のニーズは世界で高まっている。

 米国子会社のミドレックステクノロジーズの持つプロセスは、天然ガスなどを還元剤に用いて粉鉱石を加工したペレットなどをシャフト炉で還元して鉄源となる還元鉄を製造する。還元鉄は高級スクラップや銑鉄の代替品として使用されている。ミドレックスのプロセスは世界の還元鉄生産量の6割以上を占めており、累計で90基以上の納入実績を持つ。