新型コロナウイルスの感染拡大は用品各社にも大きな影響を与えた。国内の消費全体が落ち込む中で、各社の売上げや収益も減少。取り扱いブランドや自社の認知度向上に有益な国内のモータースポーツもあらゆるカテゴリーのレースが延期、中止を余儀なくされ、消費者へのアピールの機会も失われた。新型コロナへの警戒が予断を許さぬ中、今後の業界見通しなどを日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)の高瀬嶺生会長に聞いた。

(谷口 利満)

 -新型コロナによる用品各社への影響について

 「取り扱い商品、事業規模によって温度差はあり、それほどダメージがない会社がある一方で、深刻な影響を受けている企業があると聞く。緊急事態宣言期間中は積極的な営業活動を実施できず、苦しい側面があったことは確か。その中で、各社が自らの知恵を活用することが必要で、工夫次第で無限の可能性がある」

 「時代は絶えず変化し続けるだけに、今のトレンドに合わせることは不可欠だろう。例えばテレワークがこれだけ話題になっているだけに、在宅勤務に合った商品を開発することも方策の1つ。現在のビジネスに安住するのではなく、新たな発想で商品を開発すれば、新規顧客を開拓できる可能性が高まるはずだ」

 -コロナ禍で新車販売台数が減少している

 「アフターマーケットを担うわれわれにとっても影響は大きい。不要不急の外出自粛で必要最低限のものだけを購入する動きが顕著になっているようだ。一部には好調な商品もあるようだが、チューニング系の用品は落ち込んでいる模様。ただ、ユーザーが在宅する時間が長くなり、ネットを通じた取り引きは拡大している。その意味でネット経由のユーザーへの対応が重要で、対応次第で生涯顧客になることもあり、万全の体制を構築することが求められている」

 -会長就任から今秋で1年を迎える

 「正直なところ実感はなく、新型コロナでさまざまな活動やイベントが中止になった。新たな取り組みにも着手できていない現状で、メインスポンサーを務める予定だったスーパー耐久レースも延期になり、残念な思いを強くしている」

 -今後の業界展望は

 「国内の人口が減少し続ける現状で、将来的に全体需要の縮小は避けられない見通しだ。その中で、スマートフォンの利用が増え、ネット経由の取り引きはさらに拡大する。ネットでは最安値の価格だけで購入を決める消費者が多い。これにより、今後はコモディティ(日用品)化したものと、付加価値を追求した商品への二極化が一段と進展するのではないか。それだけに、各社が自らの付加価値を追求し、強みをアピールすることで他社との差別化を図ることが必要だ」

 -今後の重点課題について

 「従来まで用品業界の活性化に向けて取り組んできたが、今後もその方向性に変化はない。先行き不透明な世の中だけに、各社で力を合わせて乗り越えなくてはならない。待つだけの姿勢を改め、前向きに考えて努力し続ければ打開策は見つかると確信している」