財務省が１７日に発表した５月の貿易統計（速報）によると、輸出額は前年同月比２８・３％減の４兆１８４８億円と１８カ月連続で減少した。特に自動車は同６４・１％減と２０１１年４月（同６７・１％減）以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の停滞により、米国や欧州、アジアで自動車需要の低迷が続いている。
輸出額の減少幅は、４月（同２１・９％減）から拡大し、リーマンショックの影響を受けた０９年９月（同３０・６％減）以来の低水準となった。自動車は１０カ月連続のマイナスで、自動車部品が同５７・６％減と自動車関連の落ち込みが響いた。
地域別で、米国向け輸出は同５０・６％減の５８８４億円と１０カ月連続で減少し、自動車は同７８・９％減だった。対欧州連合（ＥＵ）の輸出は同３３・８％減の３６３８億円で、このうち自動車は同４７・６％減。中国向け輸出は同１・９％減の１兆１２６２億円で、自動車の輸出は同２０・８％減だった。
一方、輸入額は原粗油や航空機類などが落ち込み、同２６・２％減の５兆１８２億円と１３カ月連続で減少した。
この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は８３３４億円の赤字で、２カ月連続の赤字となった。
