キックス(タイ仕様)

 日産自動車は、コア市場に毎年新型車を投入し、既存の販売モデルで5年超となっている平均車齢を4年以下に引き下げる。日本市場にはシリーズ式ハイブリッドシステム「eパワー」を搭載した小型SUV「キックス」を6月中に投入、電気自動車(EV)の戦略モデルと位置付けるSUVの「アリア」を7月に発表する。コア市場以外では、ロシアでの「ダットサン」撤退やアジア市場の一部撤退など、選択と集中を加速する。

 同社はグローバルでの販売台数を増やすため、新興市場への投資を拡大してきたが、その反動で先進国市場向け事業が手薄となり、新型車の投入が遅れ、販売モデルの車齢が平均5年超と高齢化し、販売低迷の主因となっている。同社が5月28日に発表した事業構造改革計画で、コア市場を中心に今後1年半の間に新型車12モデルを投入して商品ラインアップの車齢若返りを図ることを掲げた。

 SUVの「エクストレイル/ローグ」や、SUVクーペモデル「インフィニティQX55」の新型車を投入するほか、アリアをグローバル展開する。

 日本市場では2023年度までに毎年、新型車を投入、車齢を4年以下に引き下げる。タイで生産しているキックスやアリア、軽自動車のEVを投入する。

 eパワー搭載モデルもキックスを含めて23年度末までに4モデルを追加、販売全体に占める電動車両の比率を現在の25%から60%程度に引き上げる。

 また、米国ではアリア、ローグ以外にも「パスファインダー」「フロンティア」「インフィニティQX60」の新型車を投入するなど、SUVとピックアップトラックを中心に商品力を強化する。同時に、フリート比率の低減や在庫の適正化にも取り組み、シェアを維持しながら収益力の回復を図る。

 中国市場向けには23年度までにEV5車種を追加投入するのに加え、eパワー搭載モデルを6車種展開、電動車比率を23%に引き上げる。欧州では小型商用車に加え、ハッチバック車、EVとSUVのコンパクトモデルはアライアンスを組む仏ルノーのモデルを活用する一方で、日産はクロスオーバーSUVに特化する。電動化も加速する方針でプラグインハイブリッド車(PHV)、EV、eパワー搭載モデルを投入する。23年度に電動車販売比率を50%にする計画だ。

 日米中のコア市場に電動車両や、先進運転支援技術を搭載した新型車を積極的に投入する一方で、コア市場以外では事業展開を見直す。低価格車ブランドのダットサンはインドネシアに続いてロシアからの撤退を決定、ASEAN(東南アジア諸国連合)市場も撤退を含めて段階的に縮小していく。

 同社では、23年度までに車種数を現在の69モデルから55モデルに減らす。コア市場に新型車を積極的に投入して車齢の若返りを図りながら、不採算市場からは撤退して選択と集中を徹底し、経営の効率化につなげる。