豊田合成は、新型コロナウイルスのPCR検査ができる専用車を製作し、東京都医師会に提供した。自走できるほか、車体に備えた隔壁越しに検体を採取でき、医療従事者に感染する危険性が低い。医師会では、軽症感染者が泊まる都内ホテルの近隣で活用していく。

 トヨタ自動車「ハイエース」の車体後部に隔壁を設け、空調装置を後付けした。豊田合成は、電気で動くゴム「eラバー」の用途開発に取り組んでおり、これまでに心臓手術用シミュレーターを製品化している。今回、こうした医療用機器の共同開発先と連携し、PCR検査車両の実現にこぎ着けた。車両の製作は、特装車事業を手がけるトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(稲垣和也社長、横浜市港北区)も協力した。