日清紡ホールディングスは9日、グループ会社を通じてマスク関連製品を増産するとともに、マスク販売を始めたと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が広まる中、同社は医療用マスクの生産支援、一般用マスクの販売を通じて、深刻化するマスク不足の解消に役立てる。

 ノーアイロンシャツの開発など繊維事業を担う日清紡テキスタイルは、医療用マスクの耳掛け部材として採用されている「モビロンテープ(ポリウレタンエラストマー)」を増産する。新たに設備を追加し、年間生産能力をマスク換算で約6億枚に増やす。

 また、一般用マスクにも使いやすいよう、医療用モビロンテープをリング状にした製品の販売も始めた。

 マスク用ガーゼ生地の生産も開始した。インドネシアのテキスタイル生産工場でドレスシャツ用の生地生産ラインを転用。最大200万枚分の生地を生産する予定だという。形態安定加工技術を持ち、シャツ専門店を運営する東京シャツでは、一部の店舗で形態安定マスクの販売を始めた。国内のオーダーシャツ縫製工場で生産しており、大都市圏を中心に取り扱い店舗数を順次拡大していく計画。月2万枚の販売を見込んでいる。