KEC関西電子工業振興センター・けいはんな試験センター新電波暗室棟
一般社団法人・KEC関西電子工業振興センター(宮部義幸会長、京都府精華町)は1961年に、関西の主要電機メーカーの電子技術向上を目的に24社が発起人となり発足した。会員企業は昨年10月時点で233社に上り、会員企業の研究開発や技術者の育成などに努める。17年には本部隣接地に「けいはんな試験センター新電波暗室棟」を増設し、急速に進む車両の電子化に対応している。
KECは電磁環境両立性(EMC)や製品安全などの試験といったハード面の事業だけではなく、委員会事業に取り組んでいる点も他の企業・試験所にはない大きな特長だ。KECが運営する委員会は、「研究専門委員会」、「EMC専門委員会」、「製品安全専門委員会」、「EMC設計技術者資格推進委員会」、「ⅰNARTE/Japan専門委員会」の5つだ。
これらの委員会では、最先端技術の調査、セミナーやフォーラムを通じた情報発信で業界の技術力向上につなげている。また、EMCの規格や技術情報の提供、翻訳解説のほか、EMC設計やEMC試験技術についての講習会も開催しており、EMCに携わる技術者の育成も可能だ。
このうち、ⅰNARTE/Japan専門委員会は米国・ⅰNARTE(現Exmplar Global,Inc.)の国内の窓口としてEMCや製品安全などの要員認証を担っており、これら技術者や技術者を擁する企業の技術力、品質力の証となっている。
柳瀬明典専務理事は「急速に進む車両の電動化に伴い部品メーカーのEMC試験は増える傾向にある。会員企業の研究開発の負担を少しでも軽減できるように新しい試験方法や最新の設備を導入していきたい」と述べている。