エイケン工業の自動車用フィルター。海外では「VIC」ブランドの製品として販売し、欧州やアジアで認知度が高まっている
NOKのシール製品は自動車をはじめとする幅広い分野で活躍する
LIB用負極材、フェライト材料、プラスチック成形材の三分野で車載向け製品を強化するJFEケミカル
ボンフォームはカーライフを快適に楽しんでもらうための商品づくりを徹底する
リケンが開発した準ミリ波吸収シート

エイケン工業株式会社

 内燃機関用フィルター・産業用特殊フィルターメーカーのエイケン工業(早馬義光社長、静岡県御前崎市)は、独自の金属加工技術を生かし、製品開発から生産管理まで一貫した生産体制を構築する。海外進出をせずに国内製造にこだわる同社の高品質、高性能な自動車用フィルターは国内で信頼されるだけでなく、海外では「VIC」ブランドの製品として販売し、欧州やアジアで認知度が高まっている。

 同社の高性能フィルター「VICダブルコアオイルフィルター」は通常のフィルターで使用される20ミクロンの濾紙に加え、10ミクロンの細かい濾紙と組み合わせることで使用初期段階から微細なゴミを除去する。化学合成油や部分合成油との相性が良く、二層の濾紙で合成油の高い清浄分散機能によりオイル内に浮遊するエンジン内部の微細なゴミを高い濾過性能で一掃する。濾過効率は通常品の1・5倍(同社比)。また、国産ガソリン車の約8割をカバーし、幅広い車種に適合するのも特長だ。

 多品種、小ロット生産も得意とする同社は年間15~20アイテムを新製品としてラインナップする。近年では大型車用フィルターの拡販に力を入れる。自社で各種大径部品を生産するなど、一貫生産体制を敷くことで高品質な大型車向けのオイルフィルター、エアフィルター、フューエルフィルターを幅広く用意する。

我が社の強み

〇製品開発から生産管理まで一貫した生産体制を構築

〇国内製造にこだわり、高品質、高性能な自動車用フィルターを開発、生産

〇多品種、小ロット生産も得意とし、年間15~20アイテムを新製品としてラインナップ

http://www.eiken-kk.co.jp

NOK株式会社

 オイルシールのトップメーカーであるNOKのシール製品は、自動車や建設機械、船舶、航空機、エアコンなど幅広い分野で活躍している。

 NOKの高い封止技術は、今後想定される自動車の電動化が加速しても幅広い用途が期待できる。例えば電動車において必要不可欠なモーターの性能の維持・向上にはシールの性能が鍵となる。また、この封止技術の強みを生かし、今後普及が予想される燃料電池車(FCV)の部品事業への参入も始めている。FCVは高い気密性が求められるため、発電スタックなどFCV向け部品では多くのシールの採用が予定されており、同社にとっては大きなビジネスチャンスとなる。

 一方で、グループで保有するフレキシブルプリント基板(FPC)技術は、フィルムをベースとした柔軟性の高い回路基板を実現し、スマートフォンやHDD、デジタルカメラ、タブレットPCなど幅広い用途で採用されている。同社のFPCは、電動車の普及にともなう軽量化・電子化トレンドを追い風に、バッテリーや各種センサーなどの配線・基板材料として需要が拡大している。

 同社は今後、電動車向けビジネスの拡大にも力を入れていく。

我が社の強み

〇オイルシール技術、FPC技術でトップレベルのシェアを維持する高い信頼性

〇製品設計から出品検査まで一貫して行う開発生産体制

〇グループ各社のコア技術を融合させた複合技術メーカーならではの提案・対応力

http://www.nok.co.jp

JFEケミカル株式会社

 JFEケミカル(鈴木彰社長、東京都台東区)はリチウムイオン電池(LIB)用負極材、フェライト材料、プラスチック成形材の三分野で車載向け製品を強化する。

 LIB用負極材では20年以上蓄積した技術力と製品ラインナップを持つ。また今年中国との合弁にて稼働する新工場でニードルコークス系負極材を生産、これにより電動車向けにほぼ全ての負極材の品揃えとなる。さらに「全樹脂電池」と呼ばれる新型LIB製造の新会社のAPB社に出資、全樹脂電池に不可欠なハードカーボン系負極材を供給する。

 フェライト材料は世界で唯一、原料酸化鉄から製品フェライトコアまで一貫生産しており、顧客要望への対応力に強みがある。国内に加え中国、タイで生産しており、その約30%を、電動車向け変圧器用フェライトコア等、車載分野が占める。車載電源の大容量化や高周波対応など、更なる品質向上を進めている。

 プラスチック成形材(ケープラシート)はガラス繊維とポリプロピレンを主原料とするシート状のプレス用成形基材で、軽量素材として自動車の内装天井やリアトレイ、アンダーカバーなどに採用されている。今後は更なる軽量化とともに、剛性、吸音性、遮熱性などを切り口とした新規用途開発により、より優れた製品を提供していく。

わが社の強み

〇ケミカル研究所における、顧客密着をモットーに三分野の車載向け機能性化学品の新商品開発を支える研究開発体制

〇鉄鋼の製造で培った高度な構造解析技術を保有する親会社JFEスチール研究所とのコラボレーション 

https://www.jfe-chem.com

株式会社ボンフォーム

 ボンフォーム(西脇崇史社長、岐阜県安八町)は「BONFORM」ブランドでシートカバー、カーマット、クッションなどの自動車繊維製品やアウトドアレジャー用品の企画、製造を一貫して行うカーインテリアの総合メーカー。60年以上の歴史を誇り、業界のリーディングカンパニーとして大手カー用品店、ホームセンターを中心にユーザーのニーズを的確にとらえた商品をタイムリーに送り出している。ディズニー、スヌーピー、ハローキティやミニオンなどのライセンス製品も手掛けるなど、バラエティーに富んだ商品群も同社の大きな魅力となっている。

 同社の強みは市場情報の収集、分析から商品企画、製造までトータルで行っていること。営業担当者が最前線で得た情報は勿論のこと、ドライバーでもある社員の意見や要望も積極的に取り入れて、今、求められている商品づくりに生かしている。カーライフを快適に楽しんでもらうための商品づくりを徹底しており、企画力、デザイン性の高さに加え、スピーディーに商品化する体制も業界で高い評価を受ける。

 今後もユーザーのより高度な要望に応え、常に人と車のより良い関係を求めて、たえずカーインテリアの創造を目指していく方針だ。

我が社の強み

〇構想、開発、デザイン、製造、販売を自社で完結

〇最先端のCADシステムをベースにした製造ラインは、全自動裁断機とも連動させた総合管理システムで、高い練度で生産を管理している

〇60年にわたる信頼と実績

http://www.bonform.co.jp/

株式会社リケン

 ピストンリング国内最大手のリケンは、自動運転を背景に衝突予防システムの市場拡大が予想される2020年代に向けて「準ミリ波吸収シート」を開発した。衝突予防システムではミリ波レーダーなどのセンサーが使用される。衝突予防システムの正常動作や検知感度の向上には、不要電波を吸収するシート部材が使用される。

 リケンは電波暗室の設計・施工ビジネスを展開している。電波暗室に取り付けられる電波吸収体は自社で開発してきた。また、近年では、第5世代移動通信システム(5G)用の通信デバイスの適用に向けたGHzノイズ抑制シートも開発している。これらの開発を通じて、電波吸収体の設計、材料および評価シーズが培われてきた。

 今回開発した準ミリ波吸収シートは、車両の側方や後側方の衝突予防システムへの適用に向けて開発したものである。厚みは約1mmと薄く、24GHz帯での電波吸収特性に優れ、車載での厳しい使用環境(耐冷熱性)にも対応している。また、77~79GHzの衝突予防システムに対応するミリ波吸収シートの開発も進めており、年内にもサンプル供給を開始する見通しである。

我が社の強み

〇お客様の要求仕様に合わせた電波吸収体の設計

〇低周波~高周波、近傍界~遠方界に対応した電磁波の測定評価システムの充実

〇電磁界シミュレーションによる解析

http://www.riken.co.jp