トヨタ自動車グループの自動運転用ソフト開発会社、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI―AD)は10日、自動運転用の高精度地図を安く作成するいくつかの手法を開発したと発表した。衛星や一般車両のドライブレコーダー画像を用い、自動運転に必要な相対精度(50㌢㍍)が保てることを確認した。今後も開発を進め、実用化を目指す。

 現在の自動運転用地図はGPS(全地球測位システム)やセンサーなどを搭載した専用車両を走らせ、センチメートル単位の絶対精度を持つ座標点を計測して作っている。TRI―ADは、複数のパートナー企業と組んでいくつかの生成方法を試した。米の衛星通信サービス会社、マクサー・テクノロジーズとNTTデータの2社とは、衛星画像=写真=を自動で解析・補正することで、条件が良い場合は25㌢㍍程度の相対精度を持った地図を作れることを確認した。また、米の地図生成ベンチャー、カメリアとは、ドライブレコーダー画像を人工知能(AI)認識する形で40㌢㍍程度の相対精度と更新技術を確認した。地図会社のトムトム、ヒアともそれぞれ車線情報を含む高精度地図の生成や更新に成功したという。TRI―ADのマンダリ・カレシーバイスプレジデントは「さらに精度を向上させるため、今後もパートナー企業との連携を進めていく」とコメントした。