今後3者は連携して境町の発展に取り組む

 SBドライブ(佐治友基社長兼CEO、東京都港区)と茨城県境町(橋本正裕町長)は、自律走行バスの運行を始める。SBドライブの自動運転車両運行プラットフォーム「ディスパッチャー」を活用して、境町の銀行や学校などをつなぐ路線を仏ナビヤの「アルマ」が4月から5年間運行する。自治体が公道で自律走行バスを運行するのは「国内で初めて」(SBドライブ)。

 今回の実用化にはSBドライブとマクニカ(原一将社長、横浜市港北区)が参画。SBドライブは3Dマップデータの作成、ルートや速度の設定といった自動走行プログラミングを行う。マクニカは、信号や歩行者の検知などの自動運転ソフトウエアサポートや、地域の整備工場と連携した車両メンテナンスを担当する。境町ではバスドライバーの減少や高齢者の増加で、移動手段の拡充を課題としていた。自律走行バスの運行で住民が便利に移動できる環境を構築する。

 自律走行バスは「横に動くエレベーター」をコンセプトに、町内の医療施設や郵便局など往復5㌔㍍を無料で運行する。定員は運転手含む11人。中型免許を持つSBドライブ社員が運転手として乗車する。SBドライブの佐治社長は「緊急事態の場合を除き、大半を自動で走行する」とした。信号や歩行者の検知を含めて自動走行するが、走行ルートまでの出庫は手動で行う。路上駐車している車両を避けるため、対向車線にはみ出て走行する場合などは人の手が加わる可能性があるが、駐車場が豊富にあることから「その可能性は低い」(同)としている。また、無料での提供のため運転手は二種運転免許を必要としない。近年のドライバー不足問題にも配慮した。

 まず、SBドライブが保有するナンバー取得済みのアルマと、複数の自動運転車両の運行を遠隔地から管理・監視できるディスパッチャーを活用して運行を開始する。そこで得た細かなマップデータなどを生かして、夏頃には境町がマクニカから購入した3台のアルマでの運行に切り替える。5年間の運行で境町は5億2千万円の予算を確保。橋本町長は「町民の住みやすさのためには高いコストだとは思わない」と自律走行バスの活躍に期待を込めた。