トヨタ自動車の豊田章男社長とスズキの鈴木修会長(2016年10月の業務提携検討開始時)

トヨタ自動車とスズキは8月28日、自動運転などの新しい領域で協力を推進するとともに、資本提携を締結することで合意したと発表した。トヨタはスズキに約5%出資し、スズキは480億円相当のトヨタ株式を取得する予定。トヨタとスズキは2017年2月に業務提携して以来、トヨタが得意のハイブリッド技術やスズキが強いインドでの事業などで協業を決めてきた。自動運転分野での競争が激化する中、トヨタとスズキは資本提携に踏み込んで長期的な関係構築に向けて一歩前進する。

トヨタはスズキが保有する自己株式のうち、2400万株を約960億円で取得する。出資比率は4.94%となる。スズキは市場買い付けでトヨタ株式を約480億円分取得する。海外の競争当局の承認が得られ次第、実施する予定。

トヨタとスズキは2017年2月に環境や安全技術などで業務提携することで合意。2019年3月には、トヨタのハイブリッドシステムをスズキへの供給や、インドでスズキの小型車をトヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給などの商品の相互補完、MPVの共同開発など、協業拡大を検討することで合意し、関係を深めてきた。今回、自動運転分野を含めた新たなフィールドで協力するため、資本提携することにしたとしている。