京成電鉄は7月31日、茨城県内を中心に路線バスや鉄道事業を運営する関東鉄道(松上英一郎社長、茨城県土浦市)に対し、株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。買い付け価格は1株当たり500円で買い付け期間は8月1日から10月1日まで。関鉄は同日開催の取締役会でTOBに賛同の意見を表明する一方、価格の妥当性には中立で応募は株主の判断に委ねる旨の決議を行い、意見表明報告書を財務省関東財務局に提出した。

 関鉄は非上場で、京成は関鉄の株式を、子会社(千葉交通)分を含めて30・09%を所有し、持分法適用関連会社にしている。今回のTOBで関鉄を連結子会社化する方針で、買い付け予定数に上限下限は設けず、関鉄が独自性を保ったまま経営する観点から完全子会社化は求めないとしている。

 京成は関鉄の連結子会社化により、関鉄の主力であるバス事業での連携強化や同県内の観光資源と交通ネットワークを活用した収益拡大を見込む。