新名神、京都・大阪区間の2027年度開通を延期 用地買収やトンネル工事の遅れで

  • 交通・物流・架装
  • 2025年12月24日

西日本高速道路(ネクスコ西日本、大阪市北区)は12月24日、新名神高速道路の京都府と大阪府にまたがる区間の開通時期について、予定している2027年度から遅れる見通しを明らかにした。道路建設の用地取得が難航していることに加えて、トンネル掘削工事に想定以上の時間を要するため。新たな開通予定時期については未定としている。

新名神は、関西圏における高速道路網の円滑化に加えて、西日本の広域輸送の最適化を図る観点からも、重要な路線と位置づけられている。今回の開通延期は、物流機能の強化や災害時の輸送ルートの複線化など、広域道路政策にも影響を与えそうだ。

新名神は、三重県四日市市と神戸市北区を結ぶ149.6kmの路線。大津ジャンクション(JCT)と城陽JCTの25.1kmと、八幡京田辺JCT・インターチェンジ(IC)と高槻JCT・IC間の10.7kmの区間で工事が進んでいる。ネクスコ西日本は、それぞれの区間の開通時期については、それぞれ「28年度以降」「27年度」としていた。

しかし、八幡京田辺JCT・ICと高槻JCT・IC間の工事が想定よりも遅れる状況となったことから、国土交通省と地元自治体、ネクスコ西日本で構成する連絡調整会議が18日の会合で、27年度の開通を延期する方針をまとめた。

延期の理由は、高槻JCT建設用地の取得難航や、枚方トンネルでの土砂の流動性を抑える添加剤の配合作業、シールドマシン掘削にかかる周辺環境への配慮などとした。

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