マツダ、小型ディーゼルを終了 今後は直6のみ 逆風の事業環境 次世代燃料で打開できるか

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  • 2026年7月24日 05:00

マツダは、小型車「スモール商品群」のディーゼルエンジン(DE)搭載車の販売を今夏から順次終了すると発表した。DEは今後、大型SUVの「ラージ商品群」向けの排気量3.3リットル直列6気筒エンジンに開発資源を集中させる。かつては欧州メーカーも「クリーンディーゼル」として展開を進めたが、各国での環境規制が強化。国内でも「エコカー減税」の基準が厳格化されるなど、DEは曲がり角を迎えている。

■DEを捨てたわけではない

マツダは7月23日、「CX-30」と「マツダ3」の商品改良を発表。1.8リットルの過給器付きDEの設定を廃止し、マイルドハイブリッドシステム付きの2.5リットル自然吸気ガソリンエンジン(GE)を後継パワートレインとすることを明らかにした。

マツダのDEはこれまで、1.5リットル、1.8リットル、2.2リットルの直列4気筒エンジンをスモール商品群で展開。3.3リットル直列6気筒エンジンをラージ商品群に搭載しているが、今後は直6エンジンに注力する。すでに海外向けスモール商品群はGEに集約している。

マツダは昨年3月に発表した「ライトアセット戦略」の中でエンジンを集約する方針を示していた。マツダは1台のモデルに複数のパワートレインを搭載することで選択肢を広げてきた一方、適合開発の工数が増加するなど、負担もあったという。

主力モデルの「CX-5」も、5月に国内発売した新型から、2.2リットルDEを廃止した。クルマ開発本部の山口浩一郎主査は「3.3リットル直6の方が環境対応もしやすく、馬力もあり、お客さんへの訴求がしやすい。DEを捨てたわけではなく、(直6に)集中させて頑張っていく」と話していた。

■規制強化の波にはあらがえず

背景には、特に海外での規制の強化がある。DEは熱効率が良いことに加えて、発進時の力強いトルクや、燃料代が安価といった利点があり、欧州メーカーも2000年代前後から開発を強化した。ところが独フォルクスワーゲンの排出ガス不正問題や、電気自動車にかじを切る欧州委員会の方針もあり、近年は設定車種が減少している。欧州「ユーロ6e」「ユーロ7」を筆頭に、窒素酸化物(NOx)の排出規制も年々強化されている。

国内でもかつてクリーンディーゼルは一律で「エコカー減税」の対象となり、2回分の自動車重量税が免除されていた。だが、税制改正により、現在ではGE車同等の燃費基準を満たすことが求められている。26年5月時点で減税対象となるマツダのDE車はラージ商品群2車種とマツダ3のみとなっていた。

■HVOで存続へ

逆風の最中、DEの環境対応をさらに進めようと、マツダは廃食油からつくられる水素化処理植物油(HVO)といった次世代DE燃料の普及にも力を入れている。燃料の採掘を含めた二酸化炭素(CO2)の総排出量を減らすことができるため、車両販売とセットで法人営業などを強化している。燃料を製造するユーグレナのほか、いすゞ自動車とも組んで、まずは理解を広める活動から始めている。普及には、一定の供給量確保と燃料価格の引き下げの実現がカギとなる。

マツダは「DEに一定の需要があると認識している」(広報)とする。高いトルクによる独特の走りにコアなファンがいる一方、特に乗用車では“風前のともしび”にある。ディーゼル技術を今後どのように活用していくのか、マツダのかじ取りが注目される。

(中村 俊甫)

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