マツダは2月10日、新型SUV「CX-5」について、本社地区宇品工場(広島市南区)での生産開始時期を6週間遅らせ、昨年12月中旬から始めたことを明らかにした。ソフトウエアの基盤となるE/E(電気/電子)アーキテクチャーの刷新に伴う品質確保が要因。欧州向けを皮切りに、1月には米国向けの生産を始めた。国内向けは4月から本格生産を始める予定だ。
CX-5はマツダの主力車種で、現行型は2025年度に約35万台を販売し、マツダの世界販売の4分の1を占める。今回の生産開始遅れにより、マツダは2026年3月期通期の欧州販売見通しを11月公表値から7000台引き下げ、17万台としている。国内生産の減少要因にもなるが、期初の計画通り年間70万台を上回る見通しだ。来年度の考え方について毛籠勝弘社長は「70万台をフロア(底)に、上に積んでいく」と話した。
新型CX-5は15.6インチの大型ディスプレーを搭載し、米グーグルが配信するアプリを車内で楽しめるなど機能性を強化している。基盤技術「マツダE/Eアーキテクチャー+(プラス)」も新たに導入し、将来的にはグーグルの生成AI(人工知能)「ジェミニ」による音声対話機能の搭載も予定している。
量産開始にあたって毛籠社長は「新たな電子アーキテクチャーはSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)の基盤になるもので、制御領域をしっかりと確かなものにするため、時間を取って仕上げをしている。従来に比べてソフトの能力も上がっており、確認項目も非常に多岐にわたっている。現場は苦労してきたが、かなり仕上がってきた」と機能強化と品質確保に自信を見せた。
マツダは米国関税引き上げへの対策として、従来から進めてきた「構造的原価低減活動」を強化している。新型CX-5も企画段階から装備などを抜本的に見直し、機種数も60%削減する方針。来年度も「新型CX-5が入り、大きな台数の面積で原価低減が今期よりも効いてくる」(毛籠社長)見通しで、収益構造の強靭化に向けても大きな役割を担っている。



















