金融庁、「乗合代理店」都合での提案是正へ 保険業界向け監督指針改正案 顧客の意向に沿った商品を

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  • 2025年12月17日

金融庁は12月17日、保険業界向けの監督指針の改正案を公表した。複数銘柄を扱う「乗合代理店」が保険商品に対して特に意向のない顧客に提案する際、可能な限り顧客の意向に沿った商品を提案しなければいけないことを指針に盛り込んだ。恣意的に特定の保険契約へ誘導しないことを求めた。改正案について、来年1月30日まで意見募集を行う。

指針では、商品提案において、手数料や便宜供与など、乗合代理店の都合で保険会社や商品を推奨しないように留意するとした。また、乗合代理店に対して、顧客に保険商品を提案する場合は、すべての代理店契約を明示する必要があるとした。

法令順守の強化も盛り込んだ。営業所または事務所ごとに法令等順守責任者の設置することなど、厳格な対応を義務付ける「特定大規模乗合代理店」の基準を、年間20億円以上の保険販売手数料がある事業者に定めた。トヨタモビリティ東京(佐藤康彦社長、東京都港区)やヤナセ(森田考則社長、東京都港区)など100社前後が対象になるとみられる。

旧ビッグモーター問題をめぐっては、ディーラーを含む大規模乗合代理店が自社の都合で店舗ごとに推奨商品を決める「テリトリー制」の弊害が指摘された。金融庁は、代理店の都合で推奨商品を決められる根拠となっていた保険業法施行規則(省令)の一部削除を決めた上、新たな監督指針を策定していた。

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