片山さつき財務相、自賠制度を考える会と面会 自賠責保険繰入金一括返還「有効活用を」

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  • 2025年12月6日

 片山さつき財務相は12月5日、事故被害者団体などでつくる「自動車損害賠償保障制度を考える会」(座長=福田弥夫・八戸学院地域連携研究センター長・教授)と財務省内で会い、国の一般会計に貸し出された自動車損害賠償責任(自賠責)保険料の賦課金などから一般会計に繰り入れられている約5700億円を自動車安全特別会計に一括返還することについて「有効活用していただきたい」と述べた。

 高市政権は11月、全額の一括返還を2025年度の補正予算案に計上、物価高対策などとともに盛り込んだ予算案を閣議決定した。

 福田座長は、重度後遺障がい者の回復など必要とされる施策や療護センターの設備更新を求め、「今回の繰り戻しで目標の一つは達成されたが、引き続き、被害者保護の増進と事故防止への各種事業を見守っていく」などとする要望書を手渡した。

 自動車安全特会は、自動車ユーザーから徴収した検査・登録手数料や過去の再保険料の運用益を財源としており、被害者救済対策や事故防止対策などに充てられている。

 政府は1994年度から2年間、赤字国債の発行を抑制するため、自動車安全特会から約1兆2000億円を一般会計に繰り入れた。その後、約7000億円が返済されたものの、2003年度以降、返済が停止。18年度から再び返済が始まったが、足元では約5700億円が未返還だったことから、考える会などは強く一括返還を訴えていた。

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