〈アフターパーツEYE〉カーメイトが海外強化 アジア、米国軸に2030年売上高比率15%へ

  • カー用品・補修部品
  • 2025年9月30日 05:00

 海外事業の強化に力を入れているカーメイトは、主にアジアと米国で売り上げを拡大する方針を示している。中国ではカー用品の短期開発で、需要に適した製品の供給を進める。東南アジア諸国連合(ASEAN)やインドではアウトドア需要の増加を予想して車載キャリアの拡販に取り組んでいる。米国では新製品の投入で、販売機会の拡大を模索している。同社の海外での売上高比率は現状で12%程度だが、これを2030年にも15%に高めて強固な収益基盤の構築につなげる狙いだ。

 同社は、アジアで新規顧客の開拓を進めている。海外事業の売上高の5割以上を占める中国では、展示会への出展を積極化している。徳田勝社長によると、こうしたイベントをきっかけにした商談で「北京近郊の新規顧客を複数獲得した」と明かす。また、中国の展示会には、ASEANやインドから訪れるアフターマーケットの関係者も多い。このため、中国以外の新規顧客の獲得にも効果があるという。

 世界最大の新車市場に成長した中国では、カー用品も需要拡大が見込める。現地のニーズを迅速に把握してタイミング良く新製品を発売して商機を逃さないようにするため、開発期間の短縮にも力を入れている。現地には開発担当のエンジニアが10人ほどいるが、日本の技術者と交流機会を増やすなどして技術力を高めることで実現を目指す。

 また、中国では電子商取引(EC)が主流となっているため、EC専門部隊が会員制交流サイト(SNS)を駆使したセールスも積極的に行っており、リアルとオンラインの両輪で販売増に取り組んでいる。

 同様に、アフター関連の市場成長が見込めるASEANとインドも、同社にとって重要なエリアだ。今後、アウトドアのニーズが拡大すると予想し、車載キャリアを売り込むための準備を急いでいる。徳田社長は「(キャリア販売が)本格的な伸びを示す前に、(当社と商品の)認知度を高める必要がある」とし、営業活動を積極化しているという。ASEANでは日本車のシェアが高いことから、国内事業で積み重ねた適合調査などのノウハウも生かせるとみている。

 米国ではアウトドアが盛んなため、車載キャリアで一定の販売実績があるという。引き続きこの強みを伸ばすとともに、ドライブレコーダーなどの新商品も発売し、新たな収益源を開拓していく考えだ。

 一方、同社が主戦場としている国内のアフター市場は、一時期に比べて新車販売が回復したことも受け、直近は微増で推移しているもよう。しかし、中長期でみると、少子高齢化によって保有台数の下振れ圧力が強まるほか、若年層のクルマ離れで大きな市場成長が見込みにくいと予想される。カーメイトがさらに成長を目指すには、海外市場は無視できなくなった。同社も「グローバルな開発・販売」を重点施策の一つに掲げて海外事業の強化に本腰を入れており、段階的に海外比率を高め、最終的には国内市場の状況に左右されにくい収益体質を目指していくとみられる。

 矢野経済研究所の自動車アフター市場調査によると、23年の国内市場は前年比4.5%増の20兆9792億円(推計値)だった。ただ、自動車の所有から利用へといった消費者意識の変化や人口減少などの影響による自動車保有台数の減少で、「本業の収益だけでは事業継続が難しくなってきている事業領域もある」(矢野経済研究所)と指摘。また、ある調査会社では「中長期的にはマーケット規模が縮小する」との見方を示している。今後、用品メーカー各社では国内市場に依存しない戦略が求められるのは、間違いなさそうだ。

(梅田 大希)

関連記事