比亜迪汽車(BYD)の高級車ブランド、ヤンワンは、高性能タイプの電気自動車(EV)「U9エクストリーム」が、ドイツのテストコースで量産車では世界一となる308.4マイル(496.3キロメートル)の最高時速を記録したと発表した。同社によると、従来はガソリン車の304.1マイル(489.4キロメートル)が世界最速だったが、これを4マイル強上回った。
同モデルは、1200ボルトの超高電圧で4基のモーターを駆動。モーターの最高回転数は毎分3万回転で、これらによって3千PS以上の最高出力を生み出す。電池にはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを採用した。
世界最速への挑戦では、セミスリックタイヤと特別に改良したサスペンションを組み合わせて、時速500キロメートル付近の超高速域での安定性確保に努めた。
ステアリングは、耐久レースなどで実績を持つマルク・バッセン氏が握った。バッセン氏は「電気モーターのおかげで車内は静か。負荷変動もなかったので、一段とコースに集中することができた。技術的に、内燃機関車では不可能なことだ」と、車両の仕上がりに満足感を示した。
同社のステラ・リー副社長は「研究開発部門の全員にとって、非常に誇らしい成果となった。世界最速の量産車が今や電気自動車となったことは、素晴らしい」と手ごたえを述べた。
U9エクストリームは、30台限定で市販されている。















