水素モビリティ大集合 万博で体感イベント 自動車関連企業が多数出展

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  • 2025年9月27日

 水素モビリティが一堂に集結―。水素社会の実現に力を入れる自動車関連企業などが、大阪・関西万博で行われた水素エネルギー体感プログラム「水素パーク !!  水素は、チャンスだ !! 」(22~25日)に参加した。トヨタ自動車は燃料電池車(FCV)「ミライ」のカットモデル、スズキは水素エンジンバイク「バーグマン400ABS」を出展するなど、各社が製品や開発中の技術を紹介した。

 トヨタグループはトヨタ、アイシン、トヨタ紡織の3社が出展した。トヨタはミライのカットモデルのほか、交換式「ポータブル水素カートリッジ」を展示した。豊田合成製の高圧水素タンクを採用したもので、水素調理器や燃料電池を組み合わせた電源など幅広い用途で使える。

 アイシンは燃料電池技術を活用した水素ポータブル発電機「H2ライフギア」、トヨタ紡織は手のひらサイズの燃料電池「ハイドロジェンパワーシステム」を搭載した水素自転車を展示した。

 ホンダは、SUVタイプのFCV「CR―V e:FCEV」を披露。トヨタが主導する国内商用車連合、コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT、中嶋裕樹社長、東京都文京区)はFC小型トラックを展示した。

 川崎重工業は「ニンジャH2」の998cc直列4気筒スーパーチャージドエンジンをベースに、水素燃料の直噴仕様に変更したエンジンを搭載する水素エンジンバイクを展示した。ヤマハ発動機は、水素エンジンを積んだ四輪バギー「YXZ1000R」を出展。水素用の直噴インジェクターを採用しており、レクサスと共同開発するモデルとなっている。

 会場では、車やバイク以外の水素を燃料とする乗り物、モビリティも展示された。クボタは自動運転と遠隔操作が可能な運転席がない燃料電池トラクター、東日本旅客鉄道(JR東日本)は燃料電池と蓄電池を電源とする水素ハイブリッド電車「HYBARI」のミニチュアモデルを展示した。

 また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がトヨタなどと共同研究している月面探査活動用モビリティ「有人与圧ローバ(ルナクルーザー)」の5分の1スケールモデルも展示され、再生型燃料電池システムの採用が計画されていることなどが紹介された。

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