Q 車検のヘッドライト検査がロービームに限定されるって本当?
A その通りです。自動車検査(車検)の実務を担う自動車技術総合機構(木村隆秀理事長)と軽自動車検査協会(清谷伸吾理事長)が8月末に発表しました。2024年8月1日以降、対象自動車(98年9月1日以降に生産された乗用車。二輪車をのぞく)は全車、ロービーム(すれ違い用前照灯)測定のみで基準適合審査を実施します。ロービームで基準不適合と判断された場合、これまでのようにハイビーム(走行用前照灯)の検査は行いません。
Q そもそもだけど、ロービーム検査になるのはなぜ?
A 道路運送車両法に基づく保安基準では、ハイビームは夜間に前方100メートル、ロービームは40メートル先の障害物を視認できる性能が求められ、どちらが満たされなくても車検は不合格になります。ただ、車検場ではこれまで、ハイビームの光量や照射範囲などを機械で測定し、ロービームはバルブ切れなどの目視検査にとどめていました。こうした中、純正品、市販品ともバルブの光量が上がるに連れて「(対向車や後続車の)ヘッドライトが眩しい」との声が増えたため、国土交通省は検査対象をロービームに切り変えることを検討し始め、関連法規の見直しや審査規定作りを終え、15年9月1日からロービーム検査に切り替えました。
Q 8年前からロービーム検査になっていたということ?
A そうです。ただし、切り替え直後から測定器がロービームの光軸やカットオフライン(明瞭境界線)をうまく捉えられず、検査に時間がかかったり、誤判定する例が続出しました。このため国交省は急きょ、ロービーム検査が困難だったり、測定値に異常が出るなどした場合に限り、当面はハイビームでも合否判定するよう車検場に通知し、翌16年6月1日から「過渡的な取り扱い」として制度化しました。
その後、18年6月からはロービーム検査がうまくいかない車両をすべてハイビーム検査に回さず、①左右のロービームを計測し、配光の最も明るい位置が照明部の中心を含む水平面より下向きになっているか②新たに設定する計測位置が同じように下向きになっているか(つまり、他の交通を妨げるものではないか)―のどちらかに該当した場合などに限り「計測困難」と判断してハイビーム検査を認めるように厳しくしました。その後、指定整備工場を含めて検査機器の改修や老朽更新が進み、ロービームを円滑に検査できる体制が整ったとして、過渡的な取り扱いの廃止を決めたのです。
Q 24年8月1日から全国一斉に切り替わるの?
A 自動車技術総合機構と軽自動車検査協会は、前照灯試験機の導入など審査体制を整えた車検場から順次、地元の自動車整備振興会などにロービーム用前照灯審査方法の変更を伝え、整備工場などへの周知徹底を要請することにしています。地域によっては、過渡期な取り扱いの廃止時期が24年8月1日より早まる場合もあります。これまでの経過措置を考えると、遅れる可能性は小さいと考えられます。
Q 軽自動車の車検証に「平成10年」としか記載されていないけど、これはロービーム検査の対象になる?
A 05年以前の軽の車検証は初度検査年だけしか記載がありません。この場合は、排気ガス記号が2桁(GD、GF以降)かどうかで判別できます。2桁ならロービーム検査の対象です。
Q 車検を確実に通すためには、どんな対応が必要になる?
A 自動車技術総合機構などによると、ロービーム検査で基準不適合となる自動車は、①紫外線などによるレンズ表面の劣化②紫外線や経年による内部リフレクタ(反射板)の劣化③ハロゲンバルブの使用が前提の前照灯ユニットに後付けのLEDバルブを用いるなど、純正ユニットと相性の悪いバルブに交換した―などで、光度が不足した状態や配光が崩れた状態のまま受検しているケースが大半だといいます。現場で基準不適合の判定を受けて慌てないよう、今後はヘッドライトを入念に整備・調整する必要がありそうです。



















